ブックタイトルひと目でわかる方剤学
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ひと目でわかる方剤学
16 171 表 剤も,この方の妙用種々ありて思議すべからず.たとへば積年肩背に凝結ありて,その痛み時々心下にさしこむ者,この方にて一汗すれば忘るるが如し(葛根湯を肩こりのある感冒に用いることは,子どもでも知っていることであるが,巧みな用い方があり,例えば,長年肩背にしこりがあって,時々心窩部にさしこむ痛みがある者は,葛根湯を用いて発汗させると苦痛を忘れてしまうほど改善する)『方函・口訣』.解説葛根湯は,急性熱病の実証(無汗)以外に,頭痛や神経疾患,下痢などの消化器疾患など様々な病気に応用される.「葛根湯医者」という言葉が存在し,多くの疾患に応用される.腹診では腹部の筋肉は充実して,臍痛(臍直上のしこりと圧痛)がみられることがある.方意太陽病の実証で頸部や肩の凝りのあるものに用いる方剤である.構成葛根4(8)g,麻黄3(4)g,桂皮2(3)g,芍薬2(3)g,甘草2g,大棗3(4)g,生姜2(1)g分析薬方の由来桂枝湯(桂皮,芍薬,甘草,大棗,生姜)に,麻黄と葛根を加えたものである.症状頭痛,発熱,首肩のこわばり,脈浮緊.古典太陽病,項背強ばること几しゅ几しゅ,汗無く,悪風するは,葛根湯之を主る(太陽病で首や肩が凝り,無汗,寒けがある者は,葛根湯の主治である)『傷寒論・太陽病中篇』.口訣葛根湯,外感の項背強急に用うることは,三尺の童子も知ることなれど君薬葛根肌を解し,表(身体表面)を発し,汗を出させ,?理(汗腺)を開く(別録).臣薬麻黄表を発し,汗出させる.?逆上気(激しい咳)を止める(神農).邪悪の気を排出する(別録).佐薬芍薬血脈を通順し,中(胃腸)を緩にす(別録).桂皮中を温め,筋骨を堅くし,血脈を通ず(別録).使薬甘草気力を倍にする(神農).百薬の毒を解す(別録).大棗中を補い,気を益す(別録).生姜嘔吐を止め,痰を去り,気を下す(別録).(『金鏡内台方議』による)自然発汗がなく頭痛,発熱,悪寒,肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症:感冒,鼻かぜ,熱性疾患の初期,炎症性疾患(結膜炎,角膜炎,中耳炎,扁桃腺炎,乳腺炎,リンパ腺炎),肩こり,上半身の神経痛,じんましん感冒,鼻かぜ,頭痛,肩こり,筋肉痛,手や肩の痛み頭痛,発熱,悪寒がして,自然発汗がなく,項,肩,背などがこるもの,あるいは下痢するもの感冒,鼻かぜ,蓄膿症,扁桃腺炎,結膜炎,乳腺炎,湿疹,蕁麻疹,肩こり,神経痛,片頭痛ツムラ・クラシエ・コタロー・・適 応葛かっ根こん湯とう(傷寒論,金匱要略)太陽少陽陽明太陰少陰厥陰実中間虚汗ない頭痛発熱臍痛点肩こり脈浮緊