ブックタイトル日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア看護学 基礎編
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日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア看護学 基礎編
3 医療機関との連携と退院調整385A 在宅や介護施設で生活している療養者の入院 在宅や介護施設で生活している療養者(以下,療養者)は,しばしば複数の疾患を抱えている.なかでも慢性疾患にかかることが多く,現在の医学では病前の状態に完全に戻すことは難しいことから,疾患によりQOLが損なわれ,QOLの低下がさらに症状の改善を阻害するという悪循環に陥りやすい.また,突然の転倒や脳血管イベント,抱えている疾患の悪化などによって緊急入院することも少なくない.B 入院当初からの退院調整の必要性 緊急入院をした場合,病院では命を救おうという救命処置が治療の主体となることが多い.しかし,緊急入院して救命処置を受けた療養者も,それ以前は自宅および介護施設などで生活していた生活者であったことを忘れてはいけない.つまり,治療の延長線上に以前と同じような自宅や介護施設での生活があり,さらには人間として尊厳ある死を迎えられるように看護する必要がある.また,地域包括ケアシステムの目指しているaging in place(地域居住の継続)を実現させるためには,「療養者は在宅で生活している生活者である」という意識を,入院初期からもつことが望ましい. とはいえ,病院看護師には,入院中の療養者の生活者としての顔を具体的にイメージすることが難しく,情報が不足しているのが現状である.だからこそ,病院看護師が生活者としての療養者をイメージしやすくなるよう,在宅分野の看護師が情報提供することが欠かせない.現在,病院では在宅療養移行支援を重視し,多彩な取り組みが実施・検証されている.在宅分野1 在宅分野の看護師として,自宅や介護施設で生活している療養者の入院当初からの退院調整の重要性を学ぶ2 退院調整に必要な一連の流れを理解する3 退院前カンファレンスにおける在宅分野の看護師の役割を学ぶ4 病院看護師と在宅分野の看護師の連携の重要性を理解する学習目標医療機関との連携と退院調整3