ブックタイトル輸液カテーテル管理の実践基準
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輸液カテーテル管理の実践基準
が限られていることを認識し,地域包括医療法(看護師の特定行為研修)の施行により,医療行為が医師の指示のもと,広く看護師に開放されるのを機に,VADの臨床使用指針を提案することで日本の患者医療に貢献したいと考えました. JVADWGは,2014年4月に発足したVADの臨床使用に関心を持つ多職種からなる有志医療者グループです.7 名と少人数ではあり,すべての領域を網羅したとは言えませんが,偏らない幅広い臨床領域と職域をカバーしています.それぞれのメンバーは,特定の団体や領域,あるいは企業の利益を代表する立場ではなく,個人の知識と経験に基づいて,患者の最善の利益を考えてVAD使用の臨床指針に関する意見を討議し,全員一致の原則で指針を集約しました. VADに関しては,現状でレベルの高い科学的根拠が希薄であることから,指針の策定に先立ち,メンバー間で以下の4点で合意を形成しました. ① 科学的根拠は最大限に重視するものの,日本の医療体制の実情に合致しないと全員が一致した際は,その根拠には縛られない. ② 現状で行われていなくとも,患者の利益に鑑み今後は行われるべきだと全員が一致して考える事項は前向き(proactive)に採用する. ③ 根拠の曖昧な事項に関しては,デルファイ法を用いて意見集約を試みる. ④ 指針は,不足しているこの領域の科学的な根拠を補強する研究を惹起する出発点,叩き台となることを目指し,以後の幅広い討論の場での改善,改訂を目指す. 約1年半をかけて作成した指針は,これまで2015年7月の第16回アジア静脈経腸栄養学会学術大会(会長 東口髙志),2015年10月の日本臨床麻酔学会第35回大会(会長 鈴木利保)でメンバーが概略を発表し,医療界の関心の高さを実感してきました.今回ここに指針を提案し,JVADWGも発展拡大させ,従来の医療の枠組みを越えより幅広い関係者の自由な参加と議論を目指した日本VADコンソーシアム(Japan Vascular Access DeviceConsortium:JVADC)として再出発することとしました.本指針は,そのJVADCでの議論の礎となるものです.皆様方の建設的なご意見,ご助言により,より的確な内容に進化し,真に日本の臨床に貢献するガイドラインに成長することを願うものです.最後に,ガイドライン作成にあたり,患者,医療者,そして提案者である我々JVADWGの立場の法的保護の観点から,法学者であり,生命倫理学に造詣の深い甲斐克則氏(早稲田大学法学学術院教授)には貴重な助言をいただきました.ここに深謝申し上げます. 2016年1月JVADWG 代表聖路加国際大学 特任教授宮坂勝之