ブックタイトル輸液カテーテル管理の実践基準
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輸液カテーテル管理の実践基準
Ⅳ.2Ⅰ ガイドラインの目的 近年,輸液治療は急速に発達し新たな輸液手技の使用が拡大している.また,看護師による静脈確保が一般化するなど,チーム医療の進展も見られる.手技の標準化も進んでおり,穿刺部位・デバイス選択とカテーテル管理に関しては,感染面ではCDCガイドラインで,デバイス選択や管理面では米国輸液看護協会(INS)の基準でそれぞれ詳しく記述されており,日本の実践でも参考となる資料である.これらのガイドラインや近年発表された新たなエビデンスを基に,日本特有の医療環境やチーム医療の状況を踏まえながら,日本の臨床で活用できる輸液カテーテル管理の実践基準を作成する.このガイドラインは,静脈ルート確保時の患者への侵襲を最小化し,カテーテル留置中の患者の安全と静脈内投与の確実性を高めることを目指したものである.Ⅱ 対象者 輸液治療にかかわるすべての医療従事者,そして,入院・外来・在宅医療環境で輸液治療や管理を行う者を対象とする.Ⅲ ガイドラインポリシー 日本の臨床で,ガイドラインの目的を満たすため,以下のようにガイドラインポリシーを定めた. ・輸液治療時の患者への侵襲を最小化し,安全性と投与の確実性を高めるための基準であること ・ 科学的根拠を重視した上で,日本の医療環境を考慮した,日本の臨床で活用できる実践基準であること ・臨床および専門家のコンセンサスに基づいた項目であること ・科学的根拠の不足点を明らかにし,以後の改善,改訂を目指すことⅣ エビデンスレベルと推奨度エビデンスレベル推奨度Ⅰ 最低1 つのRCTやメタアナリシスによる実証A 強く推奨するⅡ RCTではない比較試験,コホート研究による実証B 推奨するⅢ 症例集積研究や専門家の意見C 推奨しない