ブックタイトル子どものアレルギー×母乳育児×スキンケア
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子どものアレルギー×母乳育児×スキンケア
101スキンケアの方法ないと,残存した成分に対する接触皮膚炎を起こすことがあります. 洗った後は,ぬるま湯(36 ?38℃)の水圧を弱めたシャワーで,しっかりすすぐことが大切です.すすぐときも,しわやくびれの奥まで,石鹸分を残さないように丁寧にすすぎます. 湯船に漬かる場合は熱いお湯を避け,新生児では38℃,乳幼児では38 ?40℃くらいの低めの温度にし,かつ湯船に長時間漬からない(5 分以内にとどめる)ことなどの注意をする必要があります(表Ⅲ-9).熱いお湯や長湯は皮膚の角質層表面の皮脂膜をお湯の中に溶かし出してしまい,保湿機能が奪われてしまうからです.さらに,入浴後の皮膚温の上昇は,アトピー性皮膚炎や乾燥肌の痒みを増すことにつながります. 入浴後は,やわらかい綿製のタオルで,優しく包み込むようにして,水気を吸い取るように押し拭きし,決してゴシゴシこすらないように気をつけます. 洗髪後はドライヤーで乾かすと皮膚も乾燥しすぎてしまうため,タオルで押さえるように丁寧に何度も拭き,その後自然乾燥させるのがよいでしょう.!石鹸による洗浄の頻度! 石鹸をつけて全身を洗うのは,基本的に1 日1 回でよいと思われます.ひどく汗をかいた後,外遊びで汚れた後,オムツ部の清拭などの際に,その都度石鹸を使うとかえって洗いすぎによる皮膚のバリア機能低下を招く恐れがあるので,ぬるま湯のシャワーで流す程度にとどめたほうがよいと思われます.皮脂まで落としてしまう石鹸による洗浄は,1 日1 回にとどめましょう.!石鹸を使わないと……! 新生児や乳児は,まだ石鹸で洗う必要がないと思っている方もいますが,石鹸を使わずにお湯だけで洗っている乳児の皮膚をみると,毛嚢炎が多発していることがあります(図Ⅲ-19).毛嚢炎とは,毛穴で菌が増えて炎症を起こし,小さなニキビのような湿疹ができることです.このような乳児には,石鹸の泡で丁寧に洗う指導をすると,次に受診してきたときはもうすっかりきれいに治っています.表Ⅲ-9★ 乾燥肌の予防のための湯船の漬かり方?湯船に漬かるメリット !血液の循環がよくなる !全身をリラックスさせる !皮膚の汚れが落ちやすくなる?湯船に漬かるデメリット !熱いお湯は体温を上げてしまうため痒みを増す !皮脂膜を溶かし,落としてしまう !新生児では38℃,乳幼児では38 ?40℃.長くて5 分