ブックタイトル看護師国試対策STARTBOOK 解剖生理と疾病の特性 改訂2版
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看護師国試対策STARTBOOK 解剖生理と疾病の特性 改訂2版
4呼吸中枢を刺激し換気量を改善させる.酸素分圧の低下は末梢(頸動脈小体)にある受容体が感知して呼吸中枢を刺激する.通常では二酸化炭素分圧の上昇に対する中枢の受容体が主に働いている. 運動や発熱時には組織での酸素需要が増加するため呼吸は促進する.また,代謝性アシドーシスの場合も代償機構として呼吸は速くなり,頭蓋内圧亢進症では呼吸は遅くなる.度,健常人と同様には歩行できないがマイペースなら歩けるのがⅢ度,休み休みでやっと歩けるのがⅣ度,ほとんど歩けないのがⅤ度である. 左心不全や気管支喘息などで呼吸困難を訴える患者では,上半身を起こした起坐位や半坐位(ファウラー位)にしたほうが呼吸困難は軽減する.これを起坐呼吸と呼ぶ.仰臥位より坐位のほうが下半身から心臓に戻る静脈還流量が減少して肺への負担が軽減する.また,横隔膜が下がって呼吸容積も増大するため,呼吸が楽になるためである.1 症 候? 呼吸困難 Q8 ?Q10 呼吸が苦しい,呼吸をするのに努力がいる,といった自覚症状が呼吸困難である.さまざまな呼吸器疾患や循環器疾患だけでなく,心因性に呼吸困難を訴える場合もある.呼吸器疾患による慢性的な呼吸困難の程度は,ヒュー・ジョーンズの分類で評価する(図1-5).簡単にいうと,健常人とほとんど変わらず歩行できるのがⅠ度,歩行はできるが階段昇降は健常人なみにできないのがⅡ2 症候・検査・治療のまとめ同年齢の健常人と同様に歩行でき,階段の昇降も健常人なみにできる.同年齢の健常人と同様に歩行できるが,階段の昇降は健常人なみにできない.健常人なみに歩けないが,自分のペースなら1.6km以上歩ける.休みながらなら50m以上歩ける.会話,衣服の着脱にも息切れがする.息切れのために外出できない.Ⅰ度Ⅱ度Ⅲ度Ⅳ度Ⅴ度Ⅰ度Ⅱ度Ⅲ度Ⅳ度普通に歩行マイペースで歩行(1.6km以上)休みながら少し歩行(50m以上)階段の昇降できるできないできないできないⅤ度できないできるできるできる図1-5 呼吸困難の評価(ヒュー・ジョーンズの分類)して陰圧が維持できなくなる.それにより肺が縮んだ状態となることを気胸と呼ぶ.4 呼吸調節 Q7 安静時の呼吸数や呼吸の深さは,橋と延髄にある呼吸中枢により調節されて適正な呼吸を行っている.換気量が低下して動脈血の二酸化炭素分圧が上昇すれば,中枢に存在する受容体が反応して