ブックタイトル看護師国試対策STARTBOOK 解剖生理と疾病の特性 改訂2版

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概要

看護師国試対策STARTBOOK 解剖生理と疾病の特性 改訂2版

12感染性疾患1 肺 炎 Q41 Q42どんな疾患? 微生物の感染による肺胞腔内を主病変とした肺実質の炎症性疾患である.臨床現場では非常に多く経験する呼吸器疾患の代表的な疾患である.分 類 原因となる微生物の種類により,細菌性肺炎(原因:肺炎球菌,インフルエンザ桿菌,クレブシエラ,ブドウ球菌など),ウイルス性肺炎(原因:サイトメガロウイルスなど),肺真菌症(アスペルギルス,クリプトコッカスなど),ニューモシスチス肺炎などに分類される.なお,マイコプラ健常人(主に中枢受容体が作用する)換気不良PaCO2 ↑ 中枢受容体が反応呼吸中枢を刺激 換気改善PaO2 ↓ 末梢受容体が反応慢性的な換気障害(中枢受容体が麻痺している)換気不良PaCO2 ↑ 中枢受容体が反応PaO2 ↓ 末梢受容体が反応 呼吸中枢を刺激 換気改善慢性的な換気障害の患者に高濃度の酸素投与換気不良 PaCO2 ↑ 中枢受容体が反応   呼吸中枢への刺激なし換気改善なし酸素投与 PaO2 ↑ 末梢受容体が反応    CO2が蓄積図1-17 CO2 ナルコーシス血の二酸化炭素分圧の上昇に中枢受容体が,酸素分圧の低下には末梢受容体が反応して,呼吸中枢を刺激することで換気を改善させる.しかし,慢性的な換気障害が存在する患者では中枢受容体の反応性が低下しているため,主に酸素分圧の低下に対する末梢受容体の働きだけで呼吸中枢を刺激している.このような状態に大量の酸素を投与すると,動脈血の酸素分圧は一時的に上昇するため末梢受容体が反応せず,換気量は改善しない.その結果,二酸化炭素は蓄積する一方となり,頭痛や意識障害などをきたし,重症例では致死的となる.この状態がCO2 ナルコーシスであり,人工呼吸療法の適応である(図1-17). 患者の自発呼吸のみでは十分な換気ができないときには人工呼吸療法を行う.気管内挿管や気管切開にて気管内チューブを挿入し,人工呼吸器と接続する.このとき,チューブと気管の隙間から空気が漏れないようにカフに空気を入れて膨らませる.気道内圧低下のアラームが鳴った場合は,回路のどこかで空気が漏れていることを示唆しているので,カフの空気が抜けていないか回路のチューブの接続が外れていないかなどを確認する必要がある.気道内圧上昇のアラームは回路のどこかで空気の流れが悪いこと(痰や水滴の貯留,チューブの屈曲など)を意味する. 正常の呼吸では空気が鼻腔を通る間に加湿や加温されるが,人工呼吸では空気が直接肺に送られるため,回路中に加温加湿器を取り付けて滅菌精製水を補給する.人工呼吸器が停止するアクシデントに備えて,患者の側にアンビューバックを用意しておくことも大切である.3 押さえておきたい疾病の概要