ブックタイトル基礎栄養学 改訂9版
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基礎栄養学 改訂9版
「なぜ,それ(食物)を食べるの」と問われたとき,答は次のようにさまざまであろう. ・ それしか手に入らなかったから(供給) ・ それしか買うことができなかったから(経済) ・ いつも食べているから(習慣) ・ 好きだから(嗜好) ・ 調理が面倒だから(簡便) ・ 付き合いで(社交) ・ テレビや雑誌で宣伝されているから(宣伝) ・ 健康に良いから(栄養的価値) 社会が貧しい時には,食品の供給も,購買力も乏しいため,食品の選択は全く制限される.豊かな社会になると,食品の選択の幅が増え,心理的,社会的欲求を満たすために自由に選択するようになる.このような食品選択は,健康にさまざまな影響を与え,場合によっては栄養の偏りと過不足をもたらし,種々な疾病の誘因ともなる. 基本的に,生きていくためには食品は「健康に良いから」の理由で選択されるべきである.それには栄養学の研究成果を十分に生かした「何を,どれだけ,どのように食べたらよいか」の指標が必要となる.この指標をもとに食品を選択し,合理的な食生活を営むことによって,はじめて健康を保ちながら食べる楽しみも追求することができるのである. 適正な食品選択をするための指標として,多くの国ならびに FAO/WHO 合同委員会では,まず栄養素レベルで,何をどれだけ摂取したらよいかを定めている.しかし人が摂取するのは純粋な栄養素ではなく食品である.食品の成分はそれぞれ異なっており,すべての栄養素をバランスよく含んでいるような食品は存在しない.したがって必要な栄養素を満たすためには,何種類かの食品を組み合わせて摂取する必要がある.食品構成はどのような食品をどれだけ摂取したらよいかを具体的に示したものである.さらに食品構成を日常の食事計画に利用しやすい形にまとめた食品選択の指標も数種考案されている.161日本人の食事摂取基準と8 食品の選択