ブックタイトル公衆栄養学実習 学内編 改訂2版

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概要

公衆栄養学実習 学内編 改訂2版

第1章公衆栄養学実習の目的と基本的な考え方11 公衆栄養学実習の目的A.公衆栄養学とは公衆栄養学実習ではどのようなことを実習するのでしょうか? 公衆栄養学実習は学生の皆さんにとって比較的わかりにくく,すぐにイメージがわかないかもしれません.実習に入る前に,公衆栄養学とはどのような学問かがわかるように,表1-1 に公衆栄養学の特徴をまとめました.公衆栄養学は,人間集団を主な対象として,疾病の一次予防を主目的とした学問であるといえます.また,科学であると同時に実践活動を伴い,これは行動科学や食環境などの学際的接近が求められます.さらに,地域や職域などの健康・栄養問題とそれを取り巻く自然,社会,経済,文化的要因に関する情報を収集・分析し,それらを総合的に評価・判定する能力を養うことが望まれています.B.管理栄養士の役割と公衆栄養学実習1997 年に「21 世紀の管理栄養士等のあり方検討会」が厚生労働省において,新しい時代が求める管理栄養士像の形成を目指して開催されました.その中で,生活習慣病の予防と治療における栄養指導には,栄養評価・判定に基づく高度な専門知識や技能が必要であることが示されました.その中心的な役割を担うのが管理栄養士であり,「物」から「人」を対象とする栄養専門職種として位置づけるためには,従来の管理栄養士の業務である「複雑または困難な栄表1-1 公衆栄養学とは? 個人を含め,主に地域集団を対象として,その栄養・健康・QOL の改善・向上に資するための諸活動を組織的・システム的に企画し,実施し,評価するために必要な知識と技術に関する科学である.? 個人を含めつつ,基本的には地域集団の栄養改善を通して,健康の維持増進を図り,もってQOL の向上に資するための学問である.? 人間集団を対象として,疾病の一次予防を主目的とする学問である.? 地域集団の健康問題が栄養学上のどのような要因に基づくのかを明らかにして,組織的・システム的にその改善を図るための知識と技術に関する学問である.? 社会の変化を的確に把握し,学問的に対応していくものである.? 公衆栄養の発達に関する原理と方法を研究する科学である.? 栄養学や公衆栄養学で発見された原理と方法は実社会に提供して,私たちの生活に活用してこそ本当の価値を持つ.