ブックタイトル公衆栄養学実習 学内編 改訂2版
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公衆栄養学実習 学内編 改訂2版
第2章公衆栄養施策51 健康づくり対策A.第一次国民健康づくり対策わが国の健康づくり対策は,昭和53(1978)年に第一次国民健康づくり対策として開始されました.この対策は感染症から成人病(生活習慣病)へと疾病構造が変化したことに対応した保健施策で,健康づくりの3 要素(栄養・運動・休養)のうち,特に栄養に重点が置かれて実施されました.国民一人ひとりが「自分の健康は自分で守る」という自覚を持つことが基本であり,これを行政が支援するため地域に密着した保健サービスを提供する体制整備として,① 生涯を通した健康づくりの推進,② 健康づくりの基盤整備,③ 健康づくりの普及・啓発を柱として取り組みが推進されました.国民への啓発・普及方法としては,「健康づくりのための食生活指針」(1985 年)があります.B.(第二次)国民健康づくり対策(アクティブ80 ヘルスプラン)昭和63(1988)年に人生80 年時代を迎え,80 歳になっても自分の身の回りのことができ,社会参加もできる活動的な高齢者をめざす(第二次)国民健康づくり対策(アクティブ80 ヘルスプラン)が実施されました.より積極的な健康増進をめざし,健康づくりの3 要素(栄養・運動・休養)のうち,取り組みが遅れていた運動に重点を置いた健康増進事業が推進されました.国民への啓発・普及方法として「健康づくりのための食生活指針(対象特性別)」(1990 年),「健康づくりのための運動指針」(1993 年),「健康づくりのための休養指針」(1994 年)などがあります.C. 第三次国民健康づくり対策「21 世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)平成12(2000)年度から少子・超高齢化社会を健康で活力あるものにしていくため「21世紀における国民健康づくり運動」(健康日本21)が策定され,壮年期死亡の減少や,健康寿命の延伸および生活の質の向上を実現することを目的に,一次予防である生活習慣の改善を重視した情報提供などを行う取り組みが推進されました.健康日本21 は,「すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため,壮年期死亡の減少,健康寿命の延伸および生活の質の向上を実現すること」を目的としていま