ブックタイトル臨床で活かせるアロマ&ハーブ療法

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概要

臨床で活かせるアロマ&ハーブ療法

140資料 精油とハーブのモノグラフ ブドウの果実や葉は伝統的に植物療法で活用されてきましたが,フランス人は高脂肪食にもかかわらず虚血性心疾患による死亡率が低いという“フレンチパラドックス”が1979 年に発表されたのを機に,新たにその機能性が注目されました.特に,プロアントシアニジンやアントシアニン,レスベラトロールなどを豊富に含む赤ブドウの葉は血管内皮細胞に作用し,毛細血管の透過性の抑制や抗炎症,コラゲナーゼ阻害や血小板凝集阻害により,軽度の静脈還流障害による足の浮腫(むくみ)やだるさ,疲れやつっぱり感を改善します.また,静脈系疾患だけでなく,動脈硬化や狭心症などの生活習慣病予防にも役立つとともに,PMS(月経前症候群 premenstrualsyndrome)や子宮内膜症などの婦人科疾患にも有用です.赤ブドウに含まれるポリフェノールをワインではなく茶剤で服用する利点として,ノンアルコールであるため肝臓などに負担をかけないことがあげられます.なお,赤ブドウ葉を水抽出して製した乾燥エキス混合物は,ダイレクトOTCにより,わが国初のハーブ医薬品(アンチスタックスR)として認可されています.赤ブドウ葉● 学 名 Vitis vinifera● 英 名 Red vine leaf● 科 名 ブドウ科● 使用部位 葉部● 成 分 フラボノイド 3.5% まで(主にクエルセチン配糖体)アントシアニン 0.1 ?1.5 %(シアニジン,マルビジン)縮合型タンニン(プロアントシアニジン) 約4 %ほかにヒドロキシケイヒ酸などの芳香族化合物● 適 応 内用:慢性静脈不全(Widmer ステージⅠ?Ⅱ)*,静脈瘤による脚部疼痛外用:静脈瘤(局所)* Widmer による慢性静脈不全(CVI)のクラス分類  ステージⅠ:皮下静脈拡張,浮腫  ステージⅡ:栄養障害(皮膚炎,皮膚硬化症,白色委縮症)  ステージⅢ:脚部潰瘍● 用法・用量 内用:乾燥葉10 g を熱湯250 mL で抽出したものを1 日2 ?4 杯服用外用:乾燥葉60 ?80 g をデコクション(煎剤)とし,入浴または足浴で使用● 禁 忌 知られていない● 注意事項 知られていない● 相互作用 報告なし● 出 典 ESCOPモノグラフ2009● 安全性 AHPA安全性ハンドブックによるクラス分類:記載なし