ブックタイトル処方管理学

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概要

処方管理学

case 119血圧分類リスク層(血圧以外の予後影響因子)Ⅰ度高血圧140-159/90-99 mmHgⅡ度高血圧160-179/100-109 mmHgⅢ度高血圧≧ 180/≧ 110 mmHgリスク第一層(予後影響因子がない) 低リスク中等リスク高リスクリスク第二層糖尿病以外の1-2 個の危険因子,3 項目を満たすMetS *のいずれかがある中等リスク高リスク高リスクリスク第三層糖尿病,慢性腎臓病,臓器障害/ 心血管病,4 項目を満たすMetS,3 個以上の危険因子のいずれかがある高リスク高リスク高リスクMetS:メタボリックシンドローム(内臓脂肪の蓄積を反映する腹囲(ウエスト周囲径が男性で85 cm,女性で90 cm 以上)を必須項目とし,さらに糖代謝異常(空腹時血糖値110 mg/dL),脂質代謝異常(トリグリセリド値150 mg/dL 以上,またはHDLコレステロール値40 mg/dL 未満),高血圧(最高血圧130 mmHg 以上,または最低血圧85 mmHg 以上)の3 項目のうち2つ以上を有する)3項目を満たすMetSとは,内臓脂肪型肥満と血圧高値に加え,糖代謝異常もしくは脂質代謝異常のいずれか1つをもつ状態.(文献1より転載)表2 診察室血圧に基づいた心血管病リスク層別化症例解析Q3 降圧を目的とした生活習慣の修正項目は? 減塩(6 g/ 日未満),減量(BMI 25 kg/m2 未満が目標であるが,目標に達していなくとも,約4 kgの減量で有意の降圧が得られる),運動(有酸素運動を中心に毎日30分以上),節酒( エタノールで男性20 ~ 30 mL/日以下,女性10~20 mL/日以下),禁煙(受動喫煙の防止も含む)が特に重要であり,生活習慣の複合的な修正はより効果的である.表1 高血圧症管理計画のためのリスク層別化に用いる予後影響因子A. 心血管病の血圧値以外の危険因子高齢(65 歳以上)喫煙脂質異常性*1  低HDL コレステロール血症(< 40 mg/dL)高LDL コレステロール血症(≧ 140 mg/dL)高トリグリセライド血症(≧ 150 mg/dL)肥満(BMI ≧ 25)(特に内臓脂肪型肥満)メタボリックシンドローム若年(50 歳未満)発症の心血管病の家族歴糖尿病 空腹時血糖≧ 126 mg/dL負荷後血糖2 時間値≧ 200 mg/dL随時血糖≧ 200 mg/dLHbA1c ≧ 6.5%(NGSP)B. 臓器障害/ 心血管病脳 脳出血・脳梗塞無症候性脳血管障害一過性脳虚血発作心臓 左室肥大(心電図,心エコー)狭心症,心筋梗塞,冠動脈再建術後心不全腎臓 蛋白尿・アルブミン尿低いeGFR *2(< 60 mL/ 分/1.73 m2)慢性腎臓病(CKD),確率された腎疾患(糖尿病性腎症,腎不全など)血管 動脈硬化性プラーク頸動脈内膜中膜複合体圧≧ 1.1 mm大血管疾患末梢動脈疾患(足関節上腕血圧比低値:ABI≦0.9)眼底 高血圧性網膜症* 1: 空腹時採血によりLDLコレステロールはFriedwaldの式(TC ? HDL-C ? TG/5)で計算する.TG400 mg/dL 以上や食後採血の場合にはnonHDL-C(TC-HDL-C)を使用し,その基準はLDL-C+30 mg/dLとする.* 2: eGFR(推算糸球体濾過量)は下記の血清クレアチニンを用いた推算式(eGFRcreat)で算出するが,筋肉量が極端に少ない場合は,血清シスタチンを用いた推算式(eGFRcys)がより適切である.eGFRcrea(t mL/分/1.73 m2)=194×Cr?1.094×年齢?0.287(女性は×0.739)eGFRcys(mL/ 分/1.73 m2)=(104 ×Cys?1.019×0.996年齢(女性は× 0.929))? 8(文献1より転載)