ブックタイトル医薬品のレギュラトリーサイエンス 改訂2版
- ページ
- 7/10
このページは 医薬品のレギュラトリーサイエンス 改訂2版 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 医薬品のレギュラトリーサイエンス 改訂2版 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
医薬品のレギュラトリーサイエンス 改訂2版
104徴として,国際共同治験としての届出数が増加傾向にあり,2014 年度では全体の約29%が国際共同治験として実施されている.B 国際共同治験が増加した背景 では,なぜ国際共同治験が増加してきたのだろうか.これを理解するためには,医薬品規制や開発の歴史を学ぶ必要があるが,概略は以下のようなものである. 医薬品は,それぞれの国で独自の法体系に基づき規制されている(日本では「医薬品医療機器等法」).1960 年代のサリドマイド事件などをきっかけに,それぞれの国は医薬品の法規制を抜本的に改めることとなり,承認申請に必要な基準の設定や安全対策の強化などを実施してきた.しかし,それぞれの国の法体系に基づき整備が進められたため,提出すべき資料の内容や方法などに国ごとの差異が生じることとなったのである. 一方で,製薬企業は,それぞれの国で医薬品の承認を取得するために,各国の規制要件を満たしながら開発を進める必要があり,1960 年代以降の新たな基準などについても,国ごとで独立した対応が求められた.各国での基準は必ずしも同様ではなかったため,それぞれの国で独立して治験を実施することが必要な場合も数多くあった(この当時,日本においては日本単独での治験が実施されることが一般的であった).こういった状況のなかで,医薬品開発費の高騰と製薬企業の国際化,海外からの市場開放に対する要請,日本の薬効評価の国際化への期待などを背景として,新医薬品の開発を継続する上で各国での規制要件を満たすために,同様の目的の試験を国ごとに独立して実施するという開発戦略を続けることが困難となってきたのである.このような状況が長引けば,安全で有効な新医薬品をより早く患者に提供することが困難となる可能性がある. そこで,各地域の医薬品の承認審査に関する基準の合理化・標準化を行うため,図5-4 日本における治験届出数と国際共同治験7006005004003002001000302520151050(%)2007 2008 2009 2010年 度2011 2012 2013 2014国際共同治験の割合治験届出数総治験届出数国際共同治験届出数国際共同治験の割合