精神科臨床薬学 page 4/12
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概要:
精神科臨床薬学
28Chapter1 精神疾患・向精神薬の基本? 抗精神病薬の分類 抗精神病薬(antipsychotic,antipsychotic drug)は,メジャートランキライザー(major tranquilizer)とも呼ばれ,統合失調症が主な適応となる薬物である.抗精神病薬は,第一世代抗精神病薬(従来型/定型抗精神病薬)と第二世代抗精神病薬(新規/非定型抗精神病薬)に大別される(表1-14).第一世代抗精神病薬と第二世代抗精神病薬とを隔てるのは抗精神病薬の代表的な副作用である錐体外路症状が発現しやすいかどうかの違いである.第二世代抗精神病薬は,従来の抗精神病薬に比べ,錐体外路症状が発現しにくいために「第二世代(新規/非定型)」と呼ばれ,従来の抗精神病薬の「第一世代(従来型/定型)」と区別される.第二世代抗精神病薬は,第一世代抗精神病薬では効果が乏しいとされている陰性症状にも効果が認められるほか,認知機能障害に対しても効果があるとされている.? 抗精神病薬の薬理作用 脳内のドパミン作動性神経路には,a)中脳辺縁系神経路,b)中脳皮質神経路,c)黒質線条体神経路,d)漏斗下垂体神経路の4つがある.統合失調症では陽性症状の発現には中脳辺縁系神経路のドパミン作動性神経機能抗精神病薬第一世代抗精神病薬(従来型/定型抗精神病薬)高力価:ブチロフェノン系(ハロペリドールなど)低力価:フェノチアジン系(クロルプロマジンなど)その他:ベンザミド系(スルピリドなど) ジフェニルブチルピペリジン系(ピモジド) チエピン系(ゾテピン) インドール系(オキシペルチン) イミノジベンジル系(クロカプラミンなど)第二世代抗精神病薬(新規/非定型抗精神病薬)セロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA)ドパミン・セロトニン拮抗薬(DSA)多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)ドパミンシステムスタビライザー(DSS)表1-14 主な抗精神病薬の分類