ブックタイトル図解 薬理学
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図解 薬理学
2202章 精神・神経系の薬理2219 パーキンソン病と治療薬阻害薬のセレギリンおよび ③カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬のエンタカポンがあり,これら薬物はレボドパと併用される(表2-33).このほか,ドパミン受容体を直接刺激してドパミン作動性神経の活動を促進する ④ドパミン受容体作動薬, ⑤ドパミン遊離促進薬のアマンタジン, ⑥レボドパ賦活薬のゾニサミド, ⑦アデノシン受容体拮抗薬のイストラデフィリンがある.主なドパミン神経促進薬の作用様式を図2-84 に示す. 一方,パーキンソン病の線条体アセチルコリン神経の過剰な活動を抑制する薬物としては,中枢移行性の ⑧抗アセチルコリン薬であるトリヘキシフェニジル,ビペリデンなどがある(表2-33).これらの薬物は線条体においてムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することにより,パーキンソン病症状を改善する.このほか,ノルアドレナリンの欠乏症状であるすくみ足や立ちくらみなどに対して,⑨ノルアドレナリン前駆物質のドロキシドパが使用される.1.レボドパ含有製剤1)レボドパ パーキンソン病の基本的な治療法として,ドパミン前駆物質であるレボドパlevodopa(ドパゾールR)を投与するドパミン補充療法がある.ドパミンを投与しても,それ自身は脳内に到達しない.これに対し,ドパミン前駆物質のレボドパは脳内に移行し,ドパミン作動性神経終末に取り込まれた後,芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素aromatic L-amino acid decarboxylase(AADC)によってドパミンに変換され,ドパミンの枯渇状態を改善する(図2-84,2-8-5).パーキンソン病の全症状に対して有効であるが,特に動作緩慢(寡動),筋固縮などに対する有効性が高い.図2-83 パーキンソン病の病態と治療法ACh:アセチルコリン,DA:ドパミン,GABA:γ- アミノ酪酸パーキンソン症状DADAドパミン作動性神経の抑制【治療方針】・ドパミン作動性神経活動の促進・アセチルコリン作動性神経活動の抑制アセチルコリン作動性神経の亢進AChAChACh抑制線条体パーキンソン病黒質興奮D2 受容体ムスカリン性ACh 受容体アデノシン受容体抑制興奮DAGABAなどドパミン作動性神経の変性分 類薬 物作用機序ドパミン前駆物質レボドパ芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素により脳内でドパミンに変換され,ドパミンを補充するMAO-B 阻害薬セレギリンMAO-B を阻害し,ドパミンの代謝分解を抑制COMT 阻害薬エンタカポンCOMT を阻害し,レボドパ,ドパミンの代謝分解を抑制ドパミン受容体作動薬 上段:麦角系薬物 下段:非麦角系薬物ブロモクリプチンペルゴリドカベルゴリンドパミンD2 受容体を直接刺激し,ドパミン作動性神経活動を促進タリペキソールプラミペキソールロピニロールドパミン遊離促進薬アマンタジンドパミン遊離を促進し,ドパミン作動性神経活動を促進レボドパ賦活薬ゾニサミド不明(MAO-B の阻害,チロシン水酸化酵素活性の促進など?)アデノシン受容体拮抗薬イストラデフィリンアデノシンA2A 受容体を拮抗し,線条体神経の活動を抑制する抗アセチルコリン薬トリヘキシフェニジルビペリデンムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断し,アセチルコリン作動性神経活動を抑制ノルアドレナリン前駆物質ドロキシドパ芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素により脳内で直接ノルアドレナリンに変換され,ノルアドレナリンを補充する表2-33 主な抗パーキンソン病薬図2-84 主なドパミン神経促進薬の作用機序DOPA:3,4- ジヒドロキシフェニルアラニン,AADC:芳香族アミノ酸脱炭酸酵素,DA:ドパミン,MAO-B:モノアミン酸化酵素-B,COMT:カテコール-0- メチルトランスフェラーゼ,MT:メトキシチラミン,HVA:ホモバ二リン酸,DOPAC:3,4- ジヒドロキシフェニル酢酸DAD2 受容体HVA(代謝物)DOPAC(代謝物)DADADADADOPAチロシンチロシンチロシン水酸化酵素AADCDAMAO-Bレボドパ含有製剤MAO-B 阻害薬セレギリンドパミン遊離促進薬アマンタジンドパミン受容体作動薬 ロピニロール カベルゴリン などCOMT阻害(抑制)亢進