ブックタイトル薬剤過敏症
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薬剤過敏症
が生体内に存在する期間)と有害症状の発現の時間的因果関係が基軸になる.図 1-1に示すように,服薬開始から服薬中止(あるいは薬物が体内に存在する)の間に有害症状が発現することがキーポイントになる.服薬中止により有害症状の消失や改善を認めれば,一層薬剤有害反応の可能性が高くなる.薬剤有害反応の原因薬の推定・検索には米国食品医薬品局(Food andDrug Administration,FDA)方式による有害反応の原因薬検索のためのアルゴリズムがある 1).このアルゴリズムでは,表 1-1に示すように原因薬を鑑別する事項を「薬物投与と症状発生との時間的関連性」,「薬物投与の中止」,「既存症状悪化の可能性」および「薬物再投与の影響」とし,症状と薬物の関連性を『たぶん可能性なし(remote)』,『たぶん可能性あり(possible)』,『おそらく関連性あり(probable)』および『関連性あり(highly probable)』の4段階に分けている.すなわち,「時間的関連性」があり(服薬後に症状が発現し),「服薬中止」により症状が改善し,「薬物再投与」により症状が発現した場合は,『関連性あり』となる.「時間的関連性」があり,「服薬中止」により症状が改善し,「既存症状悪化の可能性」がない場合は,『おそらく関連性あり』となる.一方,「時間的関連性」があり,「服薬中止」により症状が改善したが,「既存症状悪化の可能性」もある場合は,『たぶん可能性あり』となる.また,「時間的関連性」があり,「服薬中止」により症図 1ー1 薬剤有害反応の臨床経過有害症状時間的経過薬物服用服薬開始有害症状発現 有害症状消失・改善因果関係服薬中止1 章 薬剤過敏症の起因薬検出の視点10