ブックタイトル薬物動態のイロハ

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概要

薬物動態のイロハ

薬をのんだ後の血漿中濃度推移と薬物動態パラメータについて説明をしていきます.図2-2,表2-1を見てください.薬をのむと薬物が吸収され血漿中濃度が増加していきます.最高濃度になった後,今度は減少していきます.最大値が最高血漿中濃度で一般的にCmaxと略されます.この最大値になった時間を最高血漿中濃度到達時間といい,Tmaxと略されます.一般論でいうとTmaxが早い薬物は吸収がよいといえます.薬物の濃度が半分になる時間を半減期といい,t1/2と略されます.半減期が長いほど薬物は体内に長く留まります.時間と血漿中濃度で囲まれる面積を血漿中濃度-時間曲線下面積(area under the plasma-concentration time curve)といい,AUCと略されます.AUCは同じ投与量であれば大きいほど体内からなくなりにくいといえます.表2-1にはありませんが,このほかに分布容積(Vd)というパラメータがあります.これは血漿換算した薬物の容積です.例えば体内に薬物が10mgあったとして血漿中濃度が100ng/mLとすると,分布容積は100,000mLということになります.薬物動態パラメータ2血液血漿血球(赤血球,白血球,血小板)遠心 血漿の遠心分離図 2-114