ブックタイトル薬物動態のイロハ

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概要

薬物動態のイロハ

は出てきます.もう一度分布容積の話に戻りますが,分布容積は血漿中濃度の全濃度から求めます.血漿中タンパク結合と組織中タンパク結合ともに脂溶性が上がると結合も強くなると相殺し合って,脂溶性との間に相関がなくなっている可能性があります.分布容積を血漿中の非結合型分率で割って,非結合型濃度からみた分布容積を図4-7に示しました.相関が見えるようになっていませんか?脂溶性が上がると血漿中タンパク結合だけでなく,組織中でのタンパク結合も高くなっているようです.塩基性の薬物は非結合型の分布容積でも高い傾向にあるのは変わりません.非結合型濃度は血漿中と組織中で同じであることが基本と話しましたが,基本とは違う組織があります.トランスポーターで取り込まれたり,排出されたりする組織です.取り込みトランスポーターでは,濃度に逆らって能動輸送するので非結合型濃度は高くなります.逆に排出トランスポーターでは非結合型濃度は低くなります.トランスポーター4図 4-7 脂溶性と非結合型分布容積との関係0-224610,0001,0001001010.1Vd/fu (L/kg)Log P or Log D (pH 7 or 7.4)pKa 8以上の薬物54