ブックタイトル薬剤師のための地域連携スタートBOOK 絶対つかえる!臨床検査値

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概要

薬剤師のための地域連携スタートBOOK 絶対つかえる!臨床検査値

441章 検体検査 この症例では抗不整脈薬サンリズムRも投与されていることから,心原性血栓の予防効果も必要とされているはずであるが,どうしてパナルジンRのみの投与なのか? というプロブレムが浮かび上がる.医師に尋ねた.この患者さんの心房細動は初期にごく短い間あっただけで,今はまったくないとのことだった.それでパナルジンRのみ投与しているとのことだった.経 過progress この症例ではもう1 つプロブレムがあげられる.それは,血清カリウム値上昇の可能性である.血清カリウム値の基準値は3 . 5 ?5 . 0 mEq/L と狭い範囲内にある.カリウム代謝を調節しているのはNa-K ポンプと腎からの排泄である.腎からの排泄はアルドステロンが関与している.ラジレスRはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を抑制する結果,血清カリウムを上昇させる. 血清カリウムの上昇は心筋障害を引き起こす.血清カリウム値を定期的に測定する必要がある. 福田さんの血清カリウム値は現在3 . 7 mEq/L と基準値内にある.当分大丈夫だろうが,定期的に血清カリウム値の検査を行う必要がある.手足や唇のしびれなど,初期症状の発現に注意するように伝えた.