ブックタイトル薬剤師のための地域連携スタートBOOK 絶対つかえる!臨床検査値
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薬剤師のための地域連携スタートBOOK 絶対つかえる!臨床検査値
iv そして,薬薬連携という考え方が提唱されるようになった.これも意義が大きい.外来患者さんでも病院で注射をして内服薬を保険薬局で受け取ることはままある.入院患者さんが退院するときに保険薬局として,病院薬剤部から保険薬局に向けて薬物療法に関する情報が発信されたとしたら,大変助かることは言うまでもない.こうして,病院薬剤師と保険薬局薬剤師の薬薬連携が始まった. 薬薬連携の理想は病院薬剤師と保険薬局薬剤師が,臨床検査値も含めて薬物療法に関する情報を共有することである.そのためには,お互いの顔や仕事が見えなくてはならない.南山堂さんからの「臨床検査値に関する本を作りませんか?」という有難い提案に飛びついたのは言うまでもない.瞬間的に“ 病院薬剤師との共著”という構想が浮かんだ.後藤病院の薬剤師 井上映子さんには,前著の校正で大変お世話になっていることと,医薬品卸勤務や保険薬局勤務も経験していることから,パートナーとして真っ先に脳裏に浮かびお願いをした.幸い快諾をいただくことができ,嬉しい限りである. 本書は症例を中心に据えることにした.臨床検査は検体検査と生体検査に分けた.今までは検体検査が保険薬局の検査値情報の中心であったが,薬剤師がバイタルサインをみてフィジカルアセスメントを行うようになってきた現在,生体検査に触れないわけにはいかなくなったからである.しかし,診断のためにX 線写真や心電図をみるわけではない.あくまでもくすりとの関連情報としてみに行くのである.薬局薬剤師と病院薬剤師では臨床検査値に関するアプローチが違うし情報量も圧倒的に保険薬局が少ない.したがって,症例ごとに著者を提示することにした. さて,まえがきはこのくらいにして『絶対使える! 臨床検査値』の扉をあけてください.この本ができ上がるころ,京都はきっと紅葉が真っ赤に燃えていることでしょう.IDI 研究会で本書を紹介した後には, みんなで“ 美味しい湯豆腐で一杯” といきたいものです. 2014 年初秋菅野 彊