ブックタイトル患者指導のための剤形別外用剤Q&A
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患者指導のための剤形別外用剤Q&A
178 2017 年7 月に「ティーエスワンR 」添付文書の副作用が改訂になり,急性腎障害などが重大な副作用として追加されました.【その他の副作用】として眼の「角膜混濁」や「輪部幹細胞欠乏」も頻度不明で追加されています.患者に眼に関する副作用についても,他の副作用と同様に十分な説明を行い,早期発見をすることが大切です.がん化学療法実施中は休薬期間を含め,普段から眼の症状に注意し,眼の不快感,かすみ目等の症状が認められた場合は,眼科をすぐに受診するように説明し,早期に対応することが重要です.角膜混濁 角膜混濁は頻度は低いものの多くの薬で認められ,視力低下など重篤化する場合があることから厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」にも取り上げられています.一度読んでおくと患者への説明に役立ちます.角膜混濁は皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)でも全身の皮膚と粘膜に広範囲に炎症を起こし,角膜上皮障害を来たした結果,発現するので判別が必要となります. 薬による眼に対する副作用としては,ステロイド薬による白内障や緑内障,抗コリン作用を持つ薬による閉塞隅角緑内障,結核の治療薬の1つであるエタンブトールによる視神経障害などが有名です.インターフェロンによる網膜症も話題になりました.がん化学療法 がん化学療法による眼の副作用も頻度が低いものの古くから知られていました.主な化学療法剤と眼の副作用について表1に示しました.共通している副作用も多いものの,個々の化学療法剤によって種類や頻度が異なるので注意が必要です. 化学療法剤による眼に関する副作用の発現時期は,同じ薬でも患者ごとに大きく異なっています.普段から「目のかすみ」「充血」「異物感」「まぶしさ」など,眼の違和感や異常にも注意するように患者さんに説明することが大切です. 治療法は結膜炎などではステロイド点眼薬の使用により効果が得られますが,流眼,角膜障害(角膜混濁など)および球後視神経障害などでは,表2に示すように薬による有効な治療法はなく,がん化学療法の休薬・中止あるいは減量などを考慮する必要があります.「ティーエスワンR 」による眼の副作用