ブックタイトル患者指導のための剤形別外用剤Q&A

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概要

患者指導のための剤形別外用剤Q&A

 第7 章 その他179(大谷道輝)副作用の種類症 状対 応流 涙涙道が狭くなったり,閉塞することで涙が眼から流れる涙道にチューブを挿入して,留置しがん化学療法終了後,経過により抜きとる羞しゅう明めい角膜のびらんや潰瘍などの角膜障害により発現する.症状は,強い光を受けた際に,不快感や眼の痛みなどを生じる角膜障害などに対してエビデンスがあって有効な点眼薬はない.逆にヒアルロン酸など粘性のある点眼薬は化学療法剤を含む涙液を長時間維持するリスクがあるため,使用を中止する.その他防腐剤を含む点眼薬も角膜を障害する可能性があるので,使用の中止を考慮する.OTCの防腐剤を含んでいない「ソフトサンティア」などは化学療法剤を含む涙液を荒い流すのに有効との意見もある角膜混濁角膜混濁は中毒性角膜症と呼ばれ,点眼薬をはじめとした薬によって起こる上皮障害を起こし白く濁った状態になり,かすみを感じるようになり,視力低下,霧視,眼痛,流涙などを発現する球後視神経障害眼球より後方の視神経に炎症が生じることで,視力低下や視野障害などが発現する.抗結核薬のエタンブトールが有名で,抗菌薬や抗がん薬の一部などの薬物で中毒性視神経症が報告されている原因となる薬の減量あるいは休薬が原則となる表2 がん化学療法剤による眼の副作用とその対応一般名主な薬品名眼の副作用シスプラチンランダR ● 球後視神経炎(0.1 % 未満)動注用アイエーコールR ● 球後視神経炎(頻度不明)シタラビンキロサイドR ● 結膜炎(頻度不明)テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムティーエスワンR● 流涙,結膜炎,角膜炎,角膜びらん,眼痛,視力低下,眼乾燥(0.1 ?5 % 未満)● 角膜潰瘍,角膜混濁,輪部幹細胞欠乏(頻度不明)タモキシフェンノルバデックスR ● 視力異常(0.1 ?5 % 未満)● 視覚障害(0.1 % 未満)ドセタキセルタキソテール● 羞明,視力異常,視覚障害,流涙,結膜炎(5 % 未満)● 涙道閉塞,黄斑浮腫(頻度不明)パクリタキセルタキソールR● 視力異常,眼疾患,結膜炎,眼痛,霧視,流涙増加,眼精疲労,飛蚊症,眼乾燥,角膜炎,結膜出血,光視症(5 % 未満)● 暗点,黄斑浮腫(頻度不明)フルオロウラシル5-FU ● 流涙,結膜炎(頻度不明)表1 主な化学療法剤と眼の副作用(添付文書より作成)