ブックタイトル患者指導のための剤形別外用剤Q&A

ページ
2/12

このページは 患者指導のための剤形別外用剤Q&A の電子ブックに掲載されている2ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

患者指導のための剤形別外用剤Q&A

1直腸の構造と薬の吸収について教えてください坐剤の投与部位である直腸は,大腸の一部に分類される全長10 ?15 cm の部分です.構造は,吸収が目的の組織である小腸と異なり,単調で絨毛もなく,分泌液も少ないのが特徴です.直腸内に投与された薬物は経口投与にみられる初回通過効果や管腔内での分解を回避することができます.このことは薬物が吸収される直腸粘膜の血管分布に起因しています.直腸ってどんな構造? 坐剤の投与部位である直腸は,盲腸,結腸と共に大腸の一部に分類され,解剖学的には第3 仙椎上縁の高さでS 状結腸に続いて始まり,小骨盤内を下方へ進み肛門で終わる全長約10 ?15 cm の部分をいいます.直腸の上部を直腸骨盤部,下部を直腸肛門部または肛門管といいます.肛門管は平滑筋性の内肛門括約筋とその外層に横紋筋性の外肛門括約筋に囲まれることで通常閉じた状態が保たれています(図1).1 日に数回おこる総蠕動坐 剤第1 章歯状線肛 門坐 剤外肛門括約筋内肛門括約筋直 腸図1 直腸の解剖