ブックタイトル患者指導のための剤形別外用剤Q&A

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概要

患者指導のための剤形別外用剤Q&A

103点鼻剤はどの部位で効果を発揮しているの?鼻は外鼻,鼻腔から構成され,さらには咽頭ともつながっています.鼻炎は主に鼻腔内の鼻甲介という部位が炎症を起こし,腫脹します.そのため,鼻炎に対する薬剤は鼻腔で効果を発揮することとなります.鼻の構造を考える 鼻・副鼻腔は解剖学的に気道の起点に存在しているため,空気中の細菌,真菌,ウイルス,アレルゲン,異物などを吸入し,急性・慢性炎症,アレルギー疾患などに罹患する可能性を有しています.これらに対して薬物療法を行ううえで,鼻・副鼻腔の解剖および,機能の特徴を十分理解する必要があります. 鼻というと体の外についている部分がイメージされますが,その部分は外鼻といい,鼻のごく一部分であり,それ以外の大部分は鼻腔と呼ばれる部位で占められています.鼻腔内は鼻中隔という壁で左右に分けられています.鼻腔内には鼻甲介というヒダ状に突出した部分があり,部位によりそれぞれ,上鼻甲介,中鼻甲介,下鼻甲介と呼ばれています(図1).これらは,空気の通り道(鼻道)となっており,この部分で空気の加温,加湿,ゴミや細菌をキャッチすることで,温かく清潔な空気を肺に送ることを可能にしています.このように重要な役割を果たしている鼻甲介ですが,アレルギー性などさまざまな理由で炎症が引き起こされると鼻甲介が腫脹し,鼻づまりの原因となります.そのため,鼻炎を対象にした薬剤は鼻腔,特に中鼻道,鼻甲介に分布する必要があり,ナゾネックスR 点鼻液(モメタゾンフランカルボン酸エステル)については鼻腔内での分布を確認するための試験も行われています(図2).点鼻剤第4 章