ブックタイトル患者指導のための剤形別外用剤Q&A

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概要

患者指導のための剤形別外用剤Q&A

140角 膜 ヒトの角膜は,透明な無血管組織で直径11 ?12 mm,厚さは中央部で0.5 ?0.6 mm,周辺部で0.7 ?1.0 mm であり眼球の最も外側に位置する組織です.角膜は外側から,上皮,ボーマン膜,角膜実質層,デスメ膜および内皮の5 層構造を有しています.上皮は4 ?5 の細胞層で構成され,基底細胞のみが細胞分裂を行い,?離していく上部の細胞を補給しています.角膜上皮細胞は非常に密に配列しているため,薬物の透過性は極めて低くなっています.角膜実質は角膜の厚みの90 % 以上を占めており,角膜の透明性や形状の維持に大きな役割を果たしています.実質内には同一方向に平行してコラーゲン線維が配列し,コラーゲン線維の直径および線維間距離が一定に保たれており,実質の透明性に重要な役割を果たしています.実質細胞(ケラトサイト)は,唯一の細胞成分です.ほとんど代謝されないものと考えられています.房 水 房水は,毛様体上皮で産生され,後房を経由し瞳孔を通り前房から隅角および隅角外路を経て眼外に排出されています.房水は角膜,水晶体など無血管組織に栄養を供給するとともに虹彩,硝子体を介して代謝物を眼外に排出する作用も担っています.房水の組成は,Na+,K+,Cl?,HCO3?などの電解質,グルコース,乳酸,アスコルビン酸と微量のタンパク質により構成されています.房水はヒトで1 分間に約2.5μL 産生され,およそ100 分で入れ替わっています.水晶体 水晶体は,眼球外部からの光が網膜上で焦点が合致するようレンズの働きをしています.水晶体は,そのほとんどが水(66 %)とタンパク質(33 %)で構成されています.水晶体の周囲は基底膜に相当する水晶体カプセルに周囲を覆われています.カプセルの内側の前極側(房水側)のみに上皮細胞が存在し,細胞分裂は増殖帯のみで行われます.分裂した細胞は,新たに分裂した細胞により赤道部に移動します.この赤道部で細胞の分化が起こり,線維細胞よりなる皮質と脱核し中心部に移動し硬化した水晶体核を形成します.視神経外直筋網 膜脈絡網中心窩視神経乳頭内直筋毛様体 強 膜毛様体毛様体筋zinn小体水晶体シュレム管後 房前 房虹 彩瞳 孔虹 彩隅 角結 膜硝子体角膜上皮層【角膜の5層構造】ボーマン膜角膜実質層デスメ膜角膜内皮細胞図1 眼の構造