ブックタイトル精神科外来ハイリスク薬ハンドブック
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精神科外来ハイリスク薬ハンドブック
序 「ハイリスク薬(特に安全管理の必要な医薬品)」に対する薬剤師の薬学的管理・指導が,平成20 年度の診療報酬改定では入院患者に対して,平成22 年度調剤報酬改定では薬局において評価され,薬剤師業務の報酬として算定できるようになりました.このことは,薬剤師がハイリスク薬適正使用のゲートキーパーとしての社会的使命を与えられたと言えるでしょう. 平成18 年度厚生労働科学研究の「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアルでは「ハイリスク薬」を次のようなものとしています. 1.投与量等に注意が必要な医薬品 2.休薬期間の設けられている医薬品や服用期間の管理が必要な医薬品 3.併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品 4.特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品 5.重篤な副作用回避のために,定期的な検査が必要な医薬品 6.心停止等に注意が必要な医薬品 7.呼吸抑制に注意が必要な注射剤 8.投与量が単位(unit)で設定されている注射剤 9.漏出により皮膚障害を起こす注射剤 また,平成20 年度の診療報酬改定において次のような薬剤群が「ハイリスク薬」に指定されています. 1)抗悪性腫瘍剤,2)免疫抑制剤,3)不整脈用剤,4)抗てんかん剤,5)血液凝固阻止剤,6)ジギタリス製剤,7)テオフィリン製剤,8)カリウム製剤(注射剤のみ),9)精神神経用剤,10)糖尿病用剤,11)膵臓ホルモン剤,12)抗HIV 薬 これらのハイリスク薬のうち,精神科用薬(抗てんかん剤および精神神経用剤)は約1/3 の品目数を占めています.精神科用薬の服薬は,対象疾患の性質から長期になることが多く,また重篤で発現率の高い副作用をiii