ブックタイトル地域医療連携サポートBOOK フローチャートでわかるがん化学療法の副作用

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概要

地域医療連携サポートBOOK フローチャートでわかるがん化学療法の副作用

吐き気・食欲不振 19吐き気に用いる薬の一般的な使い方予防的制吐薬● 抗がん薬の悪心リスクに応じてNK1 拮抗薬のアプレピタント(p. 25,薬D)や5 -HT3 拮抗薬(p. 25,薬E),ステロイド薬(p. 24,薬B)が抗がん薬の点滴時に使われています.ステロイド薬は主にデキサメタゾンを使い,プレドニゾロンを使用することはほとんどありませんし,ガイドラインにも記載はありません.● 高度から中等度の吐き気リスクのある抗がん薬を使う場合,表1 に示すような吐き気止めが化学療法前にすでに病院で使用されています.基本的にガイドラインに沿って薬が使用されますが,患者さん個々の状況に応じて,医師の判断でアプレピタント(p. 25,薬D)追加や,ステロイド薬の用量が増減されます.● 吐き気はないほうが良いというのは正論ですが,アプレピタントの3日間セット薬や,5 -HT3 拮抗薬の点滴でパロノセトロンという注射薬は非常に高額です.催吐リスクが低い場合は各ガイドラインに従い,患者さんの経済的負担も含めて適切な予防薬を選択します.● 前回の化学療法中に悪心があり予測性の悪心が懸念される場合,次のコースから抗不安薬を予防的に内服することが推奨されています.● 非定型抗精神病薬のオランザピンが予防的制吐薬として使えるという報告3 , 4)があります.ただ,眠気が高頻度に生じますので転倒転落などの注意喚起が必要です.● アプレピタント(イメンドR)は,治療のはじめの3 日間予防的にのむ薬です.半減期やTmaxを加味すると,1 日目は点滴90 分前にのまなくてはなりませ服薬指導時のアドバイス