ブックタイトル治療100巻1月号

ページ
6/16

このページは 治療100巻1月号 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

治療100巻1月号

10 Vol.100,No.1〈2018.1〉01わからなければ本文を読んでみたほうがいいカモ総 論地域資源として活用できる/改善すべきなのは,次のうちどれか?1つ選べ.①多職種連携会議②患者自助組織③民生委員④サークル活動⑤すべて気になる答えは論文の最後で!地域にある“資源”とは 患者中心の医療や家族志向型ケアで太刀打ちできなくなったわれわれは今,地域のチカラを求め,また同時に,地域にチカラを与えようとしている.では,どの範囲のどんなものに着目すべきなのだろうか. 地域とは「政治・経済・文化のうえで,一定の特徴をもった空間の領域」1)のことであるが,起こっている事象により,地域は「近所」から「国」までさまざまである.このことが,「地域」を捉えるうえでの困難さ,やっかいさにつながるわけだが,ここではあえてこの多様性を武器にしてほしいといいたい.地域とは,関連があり有益と思われる範囲・ものまでをその地域と捉えればよいのである.「関連がある」,「有益である」という感覚を働かせていないと,目の前の大事な資源には気づくことができない. その感覚を研ぎ澄ますためにも,地域を“広がり”で整理してみてみるとよい.筆者は2つの広がりから考えるようにしている.その1つは志向性の広がり(個人,家族,近隣,地区,自治体,都道府県,国)であり,もう1つは専門性の広がり(コメディカル・多職種,行政関係者,患者,住民(団体)・サークル・他4職種,地域環境)である.それぞれの交点に該当する資源の例を図1に示している.このように地域を捉えることで,地域を一方向の線ではなく面で感じることができ,網目を張るように抜け目なく資源に気づけるようになる.Ⅰ処方(活用)できる地域資源の種類井階友貴福井大学医学部地域プライマリケア講座/高浜町国民健康保険和田診療所