ブックタイトル治療 100巻 2月号

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概要

治療 100巻 2月号

202 Vol.100,No.2〈2018.2〉16わからなければ本文を読んでみたほうがいいカモ一酸化炭素中毒に関して誤っているものは次のうちどれか(複数選択可).二次救急対応病院で当直中.近隣の商店街火災で多数傷病者が発生した.重体患者は,近くの救命救急センターに搬送され,当直医であるあなたは中等症?軽症の対応を依頼された.症例:64歳,男性.自宅2階にいるときに火災に巻き込まれた.JCS-1で見当識障害を認める.気道狭窄音はなかった.呼吸数24回/分,血圧95/37mmHg,心拍数120/分,SpO2100%であった.動脈血液ガス分析では,一酸化炭素ヘモグロビン(CO-Hb)濃度21%,pH7.12,PaCO2 22mmHg,PaO2 200mmHg,乳酸7mmol/Lであった.①一酸化炭素中毒が疑われるので,引き続き高流量酸素投与を行う.②CO-Hb濃度が21%なので,高気圧酸素療法の適応はない.③来院時に意識障害が軽度なので,遅発性脳症の可能性はない.④静脈血液ガス分析を施行する.気になる答えは論文の最後で!季節による中毒の特徴─ 冬に多い中毒問診 のポイント● 発生状況(場所,閉塞空間だったかなどの周囲の状況,曝露時間,過量服薬の有無など)● 症状の有無● 喫煙歴患者 へのフォロー● 合併疾患の評価● 遅発性脳症の可能性を説明● 精神医学の介入はじめに 一酸化炭素中毒(以下,CO中毒)は日本でも年間5,000人弱が死亡しており,暖房器具の不具合や火災といった事故,練炭を使用した自殺現場など多様な状況で起こり得る. 本稿では,CO中毒で行うべき対応と注意点を述べる.一酸化炭素中毒鈴木秀鷹1) 東 秀律2)1)日本赤十字社武蔵野赤十字病院 救命救急センター2)日本赤十字社和歌山医療センター 第一救急部