ブックタイトル治療 100巻 2月号

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概要

治療 100巻 2月号

Vol.100,No.2〈2018.2〉 135中毒×地域救急隊との情報交換において重要なことは?1 救急隊員や家族に,「開いた薬の箱や包装が家にあったか」を尋ねる ベテランの救急隊員は,薬物過量摂取の患者の搬送の際には現場にあった包装や空き箱をもってくることが多い.ただし,すべての救急隊員が十分な中毒の知識をもっているわけではない.そのため,搬送受け入れ依頼があった際には,以下の点について事前に確認しておくことが必要になる.● どんな薬剤を飲んだか?● 量はどれくらいか?● 空き箱や空の包装は確認したか?● 服用時間はいつ頃か?● 正常であった最後の時間はいつ頃か?● 特徴的な匂い(表1)はないか? もし,空き箱や包装が確認されていないときには,必要な情報を家族から得た後に,1度自宅に戻ってもらい,ゴミ箱なども含めしっかりと探してもらうことも必要である.2 除染対象の物質に曝露されていないか? 中毒患者の診療においてまずはじめに行うべきことは,ほかの救急疾患と変わらずABCDの安定化である.しかしながら,患者が曝露された物質によっては,医療スタッフの安全のために除染を事前に行う必要がある.具体的には,次稿(p.140)にて詳述されているトキシドロームを念頭に,以下の項目についてバイタルサインや皮膚所見,眼球所見などを連絡の際に確認する必要がある.● 交感神経刺激● コリン作動性● 抗コリン性● サリチル酸によるもの● セロトニン症候群● 麻薬によるものⅠ表1 留意すべき特徴的な匂いビターアーモンドの匂いシアン魚の匂い亜 鉛果実の匂いエタノール,アセトン,イソプロピルアルコール,炭化水素の一部にんにく臭ヒ素,有機リンガソリンのような匂いトルエン卵の腐った匂い硫化水素,ジスルフィラム,N アセチルシステイン