ブックタイトル治療 100巻 3月号

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概要

治療 100巻 3月号

Vol.100,No.3〈2018.3〉 331地域ケアの実践知と,21世紀 適々斎塾の根幹に,医師同士の交流を図り医療の質を向上させることに貢献しようとする田坂マインドが,脈々と流れているのを実感する.学生・研修医教育の実践とその想い 筆者の1人である中西は田坂医師の遺志を継ぎ,TFCメーリングリストを束ねる一方,中西道場,なんでも症例検討会などを開催し,また自らの診療所で研修医実習を精力的に行っていた.また安田も自院での診療所実習に加えて,岡山大学でOCSIA(OkayamaClinical Skill Improving Association)を立ち上げ,学生教育に積極的にかかわっていた. 医学教育は専門性の高い大学病院のみで行うのではなく,もっと地域医療からの視線を取り入れる必要がある.母校の教務委員長が同級生という幸運もあり,板金は医学部の授業を担当できることになる.同級生の松村の協力も得て,1回生には医師生活の礎になる内容で,4回生には問診と身体所見に重点を置いた症候論を担当している.勉強会に出てくるようなできる学生を対象にするのではなく,学生全員を対象にする医学部講義のほうが,はるかに難しく内容の吟味や講義手法の研究に余念がない. “Learning through teaching”の言葉が示すように,教えることを通じて学ぶことは,非常に多い.学生に伝えたいことの気づき→教えるためにさらに理解を深める→その伝え方の研究→実際の講義→学生からのフィードバックのサイクルは自分自身のキャリアアップに大きく役立っている. 21世紀 適々斎塾において,年に12回開催されるセミナーでは常時20人程度の学生,研修医が参加している.また年に数回開催される特別セミナーでは,学生・初期研修医枠をさらに拡充している.学生,研修医,勤務医,開業医がともに勉強することは予想以上に心地よい刺激である.国家試験を題材にした症候論セミナー「国家試験をぶっとばせ!!!」では,約100人の学生・初期研修医に加え,開業医,勤務医が多数参加し,総勢150人の大セミナーとなった(図1).参加者から,次世代のリーダーが出現することを願っている.Ⅰ図1 21世紀 適々斎塾特別セミナー 「国家試験をぶっとばせ!!!」 学生,初期研修医,講師,理事で記念撮影2 列目左から4 人目より,松村榮久,佐田竜一,徳田安春,山中克郎,須藤 博,鈴木富雄,上田剛士,中西重清,安田英己,板金 広