ブックタイトル治療 100巻 5月号

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概要

治療 100巻 5月号

5Point of Care超音波 まずは1つ質問に答えていただきたい.あなたは携帯電話をもっているだろうか? くだらないことを聞くな,忙しいのに! 何を今更,と思った人がほとんどではないだろうか.今や1人に1台は当たり前の時代である.それどころか1人で2台,3台もっている人もまれではない.しかし30年前,世の中に携帯が誕生したときに誰がこの状況を予想できただろうか?当時はショルダーフォンといって重さ約3kg,肩に担いで携帯していたのだ! それが今や文庫本より小さく,薄く,軽く,そして写真まで撮影できてジャケットのポケットにすっぽり収まっている.それがここまで普及した背景には小型軽量化,機能の向上,価格の低下をあげることができる.あれ?この台詞,どこかで聞いたことあるな? 勘のいい読者の皆さんならもうおわかりだと思うがエコーも全く同様である. さらに近年ではベッドサイドで病歴聴取,身体診察の延長としてのエコー,Point ofCare Ultrasound(POCUS)が注目されている.従来の検査室での系統だったエコー検査とは異なり,診断や処置,治療に直結する所見のみを探しにいくため目標指向型あるいは問題解決型と呼ばれ,いつでも(24時間),どこでも(診療所,災害現場など),誰でも(研修医)すぐにできるようになるという特徴がある. そんなおいしいとこ取りのPOCUSにもかかわらず,さらに一番おいしいとこだけ知りたい(point of careのポイント)というなんとも贅沢な企画が本特集である.ひょっとしたら10年後には携帯電話のように1人1台ポケットエコーを聴診器代わりに診察している時代が来るかもしれない.その時にこの特集をあの時読んでてよかった! そう思っていただけると幸いである,というのがささやかな願いである.福井県立病院 救命救急センター瀬良 誠ちょっとエコーでも診てみよう