ブックタイトル治療 100巻 5月号

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概要

治療 100巻 5月号

Vol.100,No.5〈2018.5〉 499Point of Care 超音波 部位別・症候別,これだけは外せない!ベックスプローブを使用する.セクタプローブとコンベックスプローブの違いはプローブの設置面積で狭いセクタプローブが心臓,広いコンベックスプローブが腹部の評価に用いられることが多いが,筆者は外傷時のE-FAST(Extended FAST)などはセクタプローブを用いることも多い.2 プローブ操作(図2) 自分が評価したい臓器に適したプローブを選択したら,あとは患者さんに直接プローブを当てるだけである.最初に当てた場所に運よく? 自分がみたい臓器があればよいが世の中そんなに甘くない.もちろん大まかなメルクマールはあるため大きく外れることはないかもしれないが,多少の微調整が必要となる.研修医はここで縦横無尽にプローブを動かし胆嚢をみたいはずが気がついたら膀胱をみており,プローブが下腹部にある.「そんな馬鹿な!」と思う方もいるかもしれないが,これだから研修医たちとの毎日は楽しいのである.日々驚きの連続だ.まるで育児のように,というと妻に怒られるのでここまでにしておく.みたい臓器をうまく描出するにはコツがあり,これから述べる5つのプローブ操作を駆使する.slide, tilting, rotation, rocking, compressionである(図2).ポイントは1回プローブを動かすごとにできる操作は1つである.たとえばslideしながらtiltingしたり,slideしながらcompressionしたりと,同時に2つの操作を行うことはしない.同時に2操作行うと,自分が今どの部位のどの方向から評価すべき臓器をみているのかわからなくなるためである.またプローブ操作はこの5つに限定されているため,本特集の各章で記載のある操作に準じてプローブを動かしていけば,描出したい画像,評価すべき画像が得られるという利点もある.気道・皮膚軟部組織・DVT肺・眼球・陰嚢・運動器心臓・胸腹部腹 部a リニアプローブ b セクタプローブ c コンベックスプローブ図1 プローブの種類と適応臓器