ブックタイトル治療100巻6月号

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概要

治療100巻6月号

636 Vol.100,No.6〈2018.6〉総合診療×精神症状×漢方薬総合診療医 樫尾明彦  (給田ファミリークリニック/和田堀診療所)金子 惇  (浜松医科大学地域家庭医療学講座/静岡家庭医養成プログラム)精神科医 宮内倫也  (可知記念病院 精神科)野村紀夫  (ひだまりこころクリニック)特別座談会ンゾジアゼピンを不安が強いときに頓用でお出しするということもありはするのですが,ベンゾジアゼピンを出すというのは依存の形成がかなり心配です.SSRI,ベンゾジアゼピン,できる先生は認知行動療法というのが,私がほかの総合診療医の先生にも聞いたときには多い印象でした. 困ってしまうケースとしてはほかの医療機関でベンゾジアゼピンを出されていて,依存のようなかたちになっているような方にはどういうふうに対応したらいいのかであったり,あまり選択肢がなくて「専門の所に行ってください」といっても行けない方も多かったりすることです.また.パニックやうつなど,診断基準にあてはまるような人にはガイドラインに合わせた治療になるのですが,そこまで重症ではないのだけれど,ちょっと不安が強いというときに,ベンゾジアゼピン以外の選択だと,何を出したらよいのかがよくわからないときが多いと思っています.樫尾:金子先生からあげていただいた点について野村先生,宮内先生からはいかがでしょうか.野村:私もベンゾジアゼピンはできるだけ使わないようにしています.日本は世界でも有数のベンゾジアゼピン大量処方国で世界でも目立っ精神症状治療のもうひと押しに漢方を樫尾:今回は「総合診療×精神症状×漢方薬」というテーマで座談会をしたいと思います.金子先生には読者層である総合診療医の立場として,患者さんの精神症状に対して今現在どのように対応されているのか,そして,そこに漢方薬をどのように取り入れていったらよいのか,実際に精神科で漢方薬の処方をされている宮内先生,野村先生にお聞きしていこうと思います. 総合診療医にとって精神症状に漢方薬を使うのは敷居が高いと感じることもあるかと思いますが,まずはじめはどのように出していくのか.あとは安全性,副作用,依存性のことも気になるところですので,その面についてもお聞きしながら進めていければと思います.金子:一般的にプライマリ・ケア,家庭医療,総合診療といわれる領域でカバーしている精神疾患というのは,パニック障害,軽度のうつ病が多いと思います.それ以外ですと認知症がかなり多いので,往診でも外来でも認知症の方への精神症状に対して,非薬物的治療が奏功しない場合は抗精神病薬を使うことがあるように思います.簡単にお話すると,パニック障害に関しては,認知行動療法を勉強した範囲でやったり,SSRIをそれに合わせて使ったりしています.ベ