ブックタイトル治療100巻7月号

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概要

治療100巻7月号

7プライマリ・ケア臨床研究 専門医制度改革に伴い,総合診療専門医が新たな領域の専門医として加わることになりました.今回の特集の表題には「プライマリ・ケア」を言葉として使用しておりますが,総合診療専門医は必ずしもいわゆるプライマリ・ケアのみを担当するわけではなく,セカンダリ・ケアなども担う存在でもあり,総合診療領域の研究,とくにプライマリ・ケアにフォーカスを当てた特集とご理解いただければと存じます. 臨床医学の各領域には,それぞれの研究分野があります.各専門診療科別,臓器別,また疾患別の学会があり,盛んに研究発表が行われています.プライマリ・ケアの提供には,臓器別・疾患別領域の研究によって生みだされた知見が必要であるのは確かです.しかしそれだけで十分であり,プライマリ・ケア医は研究をしなくてもよいのでしょうか? プライマリ・ケア医は従来型の臓器別専門診療科の医師や医療者では気づき難い多くの問題に日々直面しています.つまり結局のところ,大学のような学術機関,とくに臨床研究であれば大学附属病院で行われた臨床研究で得られた知見だけでは,プライマリ・ケアの提供を妥当に効率的に行うことができません. 本特集では,プライマリ・ケア研究の歴史,プライマリ・ケア医は何を研究すべきなのか,プライマリ・ケア医の研究と診療の関係性,大学のような学術機関に属さないで研究を進めるためにはどうしたらよいか,それをどのように進めていくかなどを総合診療のパイオニアから新進気鋭の先生方に執筆を依頼しました.そして各先生方に「プライマリ・ケア医と臨床研究のかかわりについてどうあるべきか」という質問をぶつけています(実は,私は執筆者の回答を楽しみにしていました!). 本特集が,読者の皆様のプライマリ・ケアでの臨床研究に対しての関心を高め,そしてプライマリ・ケア臨床研究が,わが国においても今後大きく発展していくことを期待します.[編集幹事]東京慈恵会医科大学総合医科学研究センター 臨床疫学研究部 松島雅人プライマリ・ケア医は研究をしなくてもよいのだろうか?