ブックタイトル薬局69巻1月号

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概要

薬局69巻1月号

薬 局 2018 Vol.69, No.1 101 101これまでの報告関節リウマチ(RA)の治療目標は,炎症を抑制し症状を緩和すること,関節破壊や臓器障害を防止すること,長期間の合併症を減少することに集約される.現在のRA治療もこの目標を達成するため,「Treat to Target」のスローガンのもと,早期からの積極的治療が推奨されており1),寛解を目指し,維持することが現実的に実現可能となってきた.具体的には,禁忌がなければ,メトトレキサート(MTX)から治療を開始し3ヵ月ごとに評価し2),低疾患活動性や寛解といった治療目標が得られない場合は生物学的製剤を含めた治療強化が行われる3).さらに長期間寛解を維持している症例では生物学的製剤の休薬の可能性も議論されており,同時に高価な薬剤である生物学的製剤の使用を巡っては医療費負担の問題からもバイオシミラーへの変更が望まれ,等価性,安全性の観点から検討されている.2016年に欧州リウマチ学会(EULAR)よりRAの治療推奨が変更された4).2010年,2013年に続く3度目の改訂である.今回は,2016年度改訂で変化のあったMTX,副腎皮質ステロイド,ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬の位置づけに加えて,生物学的製剤の選択,バイオシミラーに関する2017年の論文を中心に紹介する.最新のエビデンス1 MTX をアンカードラッグとしてより明確に位置づける前回2013年のEULARによる推奨ではMTX抗リウマチ薬関節リウマチにおける,早期からのメトトレキサート使用,短期間の副腎皮質ステロイド使用が欧州リウマチ学会(EULAR)の2016年ガイドラインであらためて推奨された.同ガイドラインでヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬が治療のセカンドラインに格上げされた.生物学的製剤の選択にもある程度の特性が示されてきている.バイオシミラーは,先発品と比較し,ほぼ同等の有効性と安全性の報告が相次いでいる.■ エキスパートが注目する最新エビデンスをアップデート! ?? 18永幡 研 萩野 昇*帝京大学ちば総合医療センター 血液・リウマチ内科 *講師Feature | Evidence Update 2018