ブックタイトル薬局69巻1月号

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概要

薬局69巻1月号

126 126 薬 局 2018 Vol.69, No.1これまでの報告今シーズンのインフルエンザワクチンは供給量不足をうけて,厚生労働省から異例の通知『季節性インフルエンザワクチンの供給について』(2017年9月15日)が出された.13歳以上の接種は原則1回であること,医療機関は返品を前提とした在庫管理を禁止し返品した医療機関は公表する,の2点が通知された.この文書で「世界保健機関では9歳以上には1回接種が適切」との見解も記載され,ワクチンの接種回数が話題となった.インフルエンザワクチンのインフルエンザ発症予防効果だけではなく,併存疾患の発症・増悪予防効果についても明らかになりつつある.インフルエンザの発症と急性心筋梗塞などの心血管疾患との関連を示唆するメタ分析1)などの報告があるが,インフルエンザワクチンによって心血管疾患が予防できるかどうかについては明らかではなかった.また,地域在住の高齢者に対するインフルエンザワクチンの効果を検討したメタ分析は報告があるが,年齢・性別・基礎疾患などの交絡因子が考慮されてこなかった.国内ではHPVワクチンの積極的な接種勧奨の一時差し控えが続いているが,HPVワクチンの安全性に関する報告が海外から散見されている.最新のエビデンス1 インフルエンザインフルエンザワクチンの効果に関する論文が多数発表されているが,そのうちメタ分析を中心に代表的なものを紹介する.a インフルエンザワクチンの接種方法Ramsayら2)は,あらゆる年齢の人について今シーズンのインフルエンザワクチンを接ワクチンインフルエンザワクチンの有効性を高めるためには,昨シーズンまでの接種状況にかかわらず今シーズンで接種することが望ましい.妊婦(出生後の乳児の予防),小児(集団免疫),気管支喘息患者,COPD患者,高齢者に対しても,インフルエンザワクチンの有効性が確認された.HPVワクチンは局所の副反応は多いが,全身症状や重篤な有害事象には有意差がみられなかった.■ エキスパートが注目する最新エビデンスをアップデート! ?? 23福士 元春武蔵国分寺公園クリニック 副院長