ブックタイトル薬局 69巻 2月号

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概要

薬局 69巻 2月号

56 456 薬 局 2018 Vol.69, No.3はじめに薬剤過敏は,狭義の「薬剤過敏症」という服用後の紅斑に加え,発熱(38℃以上),咽頭痛,全身倦怠感,食欲不振などの感冒様症状,リンパ節の腫れのいずれかが認められ,症状の持続や急激な悪化を認める場合もある副作用1),広義には内服後の軽度の皮疹,アレルギー性肝炎まで含まれる.抗結核薬にはいずれの報告もあり,一度生じると治療自体が不可能となる場合もあり難渋する.本稿では,抗結核薬の副作用について,特徴と再投与について概説する.抗結核薬抗結核薬は2014年承認のデラマニドまで13薬剤が承認されている(表1)2).リファマイシン系薬剤の2薬剤,注射剤3剤は同時に用いることができないため,選択肢は非常に狭く,副作用発現時には再投与を行うことが多い.抗結核薬は,抗結核菌作用の強さによって分類されており(表1),First-line drugs(a)は最も強力な抗菌作用を示し治療の中枢を担う薬剤であり,リファマイシン系薬剤のリファンピシン(RFP),リファブチン(RBT),イソニアジド(INH),ピラジナミド(PZA)が含まれる.これらの薬剤は滅菌的あるいは殺菌的に働く.First-line drugs(b)のストレプトマイシン(SM),エタンブトール(EB)は,Firstlinedrugs(a)との併用で有効である.標準治療ではこのFirst-line drugs(a)を基盤としFirst-line drugs(b)のいずれかが選択される6ヵ月治療を標準としている.Second-line drugsは,First-line drugsに抗結核薬抗結核薬は13薬剤のみであり,副作用によって治療が不可能となる場合がある.First-line drugsの副作用には精通する必要がある.軽度の薬剤過敏症については,対症療法で観察することができるが,重篤な場合は全薬剤をいったん中止する.減感作療法は,ほかに変えうる薬剤がない場合に行い,十分注意する.臓器障害が生じた場合には再投与を行わない.■ 第一選択薬に過敏症歴あり! そのとき薬物治療はどう行うか?! ?? ?佐々木 結花結核予防会複十字病院 呼吸器センター呼吸器内科 呼吸器センター長