ブックタイトル薬局 69巻 2月号

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概要

薬局 69巻 2月号

70 470 薬 局 2018 Vol.69, No.3はじめに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はウイルス・細菌感染症に対する解熱鎮痛目的から強直性脊椎炎など慢性炎症性疾患のコントロールまで幅広く使用されている.医療者側の視点では,高齢者のNSAIDs多用による腎障害が指摘されるようになってからはアセトアミノフェンを対症療法薬として処方するケースが多くなった.しかし,NSAIDsは市販薬に含有されている場合や,ロキソプロフェンが第1類の一般用医薬品として処方箋なしで薬局にて購入できるようになったため,依然として薬剤過敏症に留意すべき薬剤である.本稿では,NSAIDsによる起こりうる薬剤過敏症の種類と,その対応について述べる.NSAIDs過敏症の分類NSAIDsによって起こりうる薬剤過敏症は,作用機序によって大きく2つに分けられる(表1)1).1つは,COX―1阻害作用による過敏症で,いわゆるアスピリン喘息や,鼻炎,慢性蕁麻疹など,NSAIDsのCOX―1阻害作用によるCysロイコトリエンの過剰産生が関与したものである.こちらはNSAIDsの作用機序に関連した過敏症であり,他のNSAIDsを使用しても同様の反応が起こる可能性がある.もう1つは,薬剤固有の構造に対するアレルギー機序によって起こるものである.こちらはIgEを介したアナフィラキシー,蕁麻疹などのⅠ型アレルギーとT細胞を介した接触皮膚炎,播種状紅斑丘疹型薬疹,スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)などのⅣ型非ステロイド性抗炎症薬・アセトアミノフェンNSAIDsによる過敏症は機序によって2種類に分けられる.COX―1阻害作用による過敏症であるアスピリン喘息や皮膚症状は他のNSAIDsも使用できない.アレルギー機序による過敏症はNSAIDsの系統の異なる薬剤は使用できる可能性がある.両者の区別は他系統のNSAIDsによる内服誘発試験が行われる.アスピリン喘息を有する患者には現時点ではアセトアミノフェンも避けた方がよい.■ 第一選択薬に過敏症歴あり! そのとき薬物治療はどう行うか?! ?? ?池田 行彦 岸本 暢将*聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center *医長