ブックタイトル薬局 69巻 2月号

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概要

薬局 69巻 2月号

薬 局 2018 Vol.69, No.3 477 77はじめに1921年にBantingとBestらによりインスリンが発見され,翌1922年にはインスリンのヒトへの投与が開始となった.インスリン注射後の皮膚反応については,ウシインスリン使用による最初の報告がその年になされている.当初は,ウシやブタ膵臓から抽出したインスリンを使用していたため不純物も多く,インスリンアレルギー出現の頻度は50~60%と高率であった1).ヒトインスリン遺伝子が単離され,遺伝子組み換えによるヒトインスリン製剤やインスリンアナログ製剤の使用が可能となり,インスリンアレルギーは激減した.しかし,ヒトインスリン製剤やインスリンアナログ製剤を使用するようになっても,インスリンアレルギーは頻度は低下はしたものの認められ,インスリン治療適応の2型糖尿病患者や生命維持のためにインスリンの投与が必須であるインスリン依存状態の1型糖尿病患者を治療する上で大きな問題となる.インスリンアレルギーヒトインスリン製剤やインスリンアナログ製剤が使用可能になり頻度は減ったものの,インスリンアレルギーはインスリン使用者の0.1 ~3%にみられる2).インスリンアレルギーには,注射部位の?痒感や疼痛を伴う腫脹・発赤・硬結を示し,インスリンヒトインスリン製剤が使用可能になり頻度は減ったが,インスリンアレルギーはインスリン使用者の0.1 ~ 3%にみられる.腫脹・発赤・硬結が注射部位に限局する局所性インスリンアレルギーと,反応が局所に限局しない全身性インスリンアレルギーがある.インスリンの投与が生命維持に必須であるインスリン依存状態の1型糖尿病患者では大きな問題となる.末梢血中の好酸球の増加や非特異的IgE,IgG,抗ヒトインスリン特異的IgE抗体の増加を認める.アレルゲンを特定するために,皮内反応やプリックテストが行われる.治療としては,インスリン注射部位の変更,インスリン製剤の変更,中止および脱感作療法などがある.■ 第一選択薬に過敏症歴あり! そのとき薬物治療はどう行うか?! ?? ?大沼 裕* 橋本 尚武**東京女子医科大学八千代医療センター 糖尿病・内分泌代謝内科 *准教授 **教授Feature | 薬剤過敏症歴がある患者の薬物治療