ブックタイトル薬局 69巻 2月号

ページ
6/24

このページは 薬局 69巻 2月号 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

薬局 69巻 2月号

岡田 正人聖路加国際病院 Immuno-Rheumatology Center センター長p8 薬剤過敏症歴がある患者への問診と診察!何を確認してどう評価するか?!p14 薬剤アレルギー検査はこう考える! 得られる情報とその限界p20 小児の薬剤アレルギー! 押さえておきたい勘所p26 第一選択薬に過敏症歴あり! そのとき薬物治療はどう行うか?!薬物治療において副作用は1~15%に認められ,その6~10%が薬剤過敏症である.副作用は,完全に避けることは不可能であるが,ヒポクラテスの誓いの“Do No Harm”に反すものであり,最小限にしなければならない.副作用が疑われる場合はまず薬理学的な知識から,薬剤過敏症とそれ以外の区別をつけることが重要である.薬剤過敏症は,免疫学的反応であるアレルギーと,非免疫学的機序でアレルギーと臨床的に類似する偽アレルギーに分けられる.臨床的に類似するため治療は同様であることが多く,IgE非依存性の偽アレルギー反応は抗ヒスタミン薬またはステロイドを加えた前投与にて反応を抑制しうることが多くあるが,IgE依存性のⅠ型アレルギーではそれらを投与しても危険が高い.また,将来同様の反応を引き起こす薬剤を理解する上で,この区別は大変重要である.例えば,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)によって惹起される喘息は,アスピリンを含めシクロオキシゲナーゼ―1(COX―1)を阻害する薬剤すべてで同様の反応が起こりうる.この場合,薬剤の分子構造は関係ない.逆にペニシリン系抗菌薬は,どんなに抗菌スペクトラムが異なっていても分子構造の共通性から交差アレルギーが起こりうる.今回の特集は,薬剤過敏症の総論から始まり,過敏症が問題になる薬剤をそれぞれ独立して各論で扱うという思い切った企画である.ほかではなかなか得られない各薬剤における過敏症の豊富な情報が掲載されている.各薬剤に関して最新の知識をもった専門の先生方による詳細でわかりやすい解説は,日常診療においても大変役立つと確信している.特集にあたって特 集リスク&ベネフィットを考慮した薬の選び方と使い方6 406 薬 局 2018 Vol.69, No.3 薬 局 2018 Vol.69, No.3 407 7