ブックタイトル薬局 69巻 5月号

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概要

薬局 69巻 5月号

92 2446 薬 局 2018 Vol.69, No.6はじめにペインクリニック領域で遭遇するかゆみ疾患の一つに,帯状疱疹後?痒(postherpeticitch : PHI)がある.帯状疱疹急性期の皮疹が消失した後の神経修復過程において,痛みとかゆみが混在することや,患者の訴えが痛みからかゆみへと移行することを日常の臨床でしばしば経験する.PHIは知覚鈍麻や長期に続く?痒感であり,疼痛と同時期,あるいは独立して発症することが知られている.このような症状は,スキンケアや外用剤,抗ヒスタミン薬内服などの一般的な?痒治療が奏効しない難治性?痒であることが多い.こうした難治性?痒は睡眠障害をもたらし,また日常生活の質を著しく低下させることからも,適切に治療することが重要である.このような病態に対し,ガバペンチンやプレガバリンなどのガバペンチノイドの有効性が示されている.ガバペンチノイドは,神経細胞の異常な興奮を抑える効果があり,抗けいれん作用に加えて痛みを和らげる効果を有する(図1).特に神経障害性疼痛に対して広く臨床使用されているが,特殊な作用機序から一般的な鎮痛薬以外の使用上の注意が必要である.また,高齢患者では予想外の副作用が出現することもあり,その特性を理解した上での使用が望ましい.GABAアナログ帯状疱疹急性期に引き続き,帯状疱疹後?痒が発症することがある.帯状疱疹後?痒をはじめとする神経因性?痒は難治性であり,日常生活の質を著しく低下させるおそれがある.これらの病態には一般的な?痒治療薬が奏効しないことが多い.ガバペンチンやプレガバリンなどのガバペンチノイドは,神経因性?痒に対する有効性が示されている.■ この薬は“いつ”“どの患者で”“どう使う”? ?? ?山口 敬介順天堂東京江東高齢者医療センター 麻酔科・ペインクリニック図1 プレガバリンとガバペンチンの構造いずれもγ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体であるが,GABAA, B受容体には作用しない.プレガバリンγ-アミノ酪酸ガバペンチンOOHNH2OOHO NH2OHNH2