ブックタイトルRp.+レシピプラス2016年春号

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概要

Rp.+レシピプラス2016年春号

082 Vol.15,No.2インスリン療法の目的と適応 インスリン療法の目的は,糖尿病患者さんのインスリン分泌を,健常者と同様なインスリンの基礎分泌,追加分泌に近づけることです(図1).この目的へ向け,現在,超速効型・速効型・中間型・混合型・持効型溶解・配合型の6種類のインスリン製剤を,病態に合わせて選択,あるいは組み合わせて使用しています(各インスリン製剤の特徴は,p.58~66を参照). 図1には,インスリン療法が適応となる1型および2型糖尿病のインスリン分泌パターンの典型的なイメージと,補充が必要なインスリン量を図示しました.このインスリンを補充する方法は病態に合わせて選択されています.1型糖尿病のインスリン療法の基本1型糖尿病のインスリン療法 「1型糖尿病(インスリン依存状態)の患者では,いかなる場合にも,インスリン注射を中断してはならない」と示されています1).このように1型糖尿病はインスリン療法の絶対的適応とされ,消失あるいは欠乏しているインスリンの基礎分泌と追加分泌の両方をインスリン製剤で補い,正常なインスリン分泌のパターンに近づけることが治療の基本となります この治療法を強化インスリン療法(Basal-Bolus法)と呼び,「インスリンの頻回注射,または持続皮下インスリン注入療法(continuous subcutaneous insulin infusion;CSII)に血糖自己測定(p.99参照)を併用し,医師の指示に従い,患者自身がインスリン注射量を決められた範囲内で調整しながら,良好な血糖コントロールを目指す治療法」と定義されています1). 強化インスリン療法は,インスリン治療が必要なすべての患者に適応となります.しかし,注射のタイミングや投与量の調節など自己管理が大変重要な投与法であるため,患者さんが治療を十分に理解しているか,リスクとなる低血糖に正しく対処できるかの2点を確認する必要があります.入門!注射糖尿病製剤の使い方薬物治療の本質を理解するための基礎知識2