ブックタイトルRp+2016年秋号

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概要

Rp+2016年秋号

Vol.15,No.4 003 「うちの子,お熱がでてしまいました…」 小児科の日常診療において,最も多い訴えの一つはこの「乳幼児の発熱」ではないでしょうか? とりわけ救急外来では,「寝る前まで元気だったのに,真夜中から急に熱がでました」と受診する乳幼児は数多くいます.子育て真っ最中の家庭では,自宅に体温計を常備していることも多く,発熱は保護者の方にもとてもわかりやすい指標で,大切なバイタルサインだからです.処方する「熱さまし」も,小児科では処方する機会の大変多い薬剤の一つです.「おでこにジェルシートを貼った子どもを抱っこしながら,解熱薬の記載された処方箋を差し出すお母さんの対応をする」といった光景は,どこの保険薬局でも日常のひとコマとも思います. 処方する小児科医師の立場からすれば,一口に乳幼児の発熱といっても,年齢や随伴するほかの症状によって対応は変わってきます.診断技術の進歩に伴い,以前のように「熱はかぜだから,念のために抗菌薬を出しておきます」といった場面も減ってきています.さらに同年代に多い熱性けいれんやインフルエンザにおける対応,予防接種に伴う発熱など,考え方の進歩やガイドラインによる標準化なども徐々に試みられています. 「実際の診療場面で,専門医師がどのようなことを思いながら診療し,親御さんにお話しをして,処方箋を書いているのか?」今回の特集では,百戦錬磨の小児科専門医の方々にわかりやすく解説をいただきました.帝京大学医学部小児科 講師 伊藤直樹