ブックタイトルRp+2016年秋号

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概要

Rp+2016年秋号

処方例から学ぶ! 乳幼児の発熱への対応Vol.15,No.4 111来局時の処方監査1 本症例に解熱薬を使用する目的は?高熱による体力消耗を防ぐため1では解熱薬であるカロナールR 細粒(アセトアミノフェン)だけが処方されています.このことから高熱・咽頭痛の原因病原体は細菌ではないことが予測できますが,保護者の話よりアデノウイルス咽頭炎と診断されたことがわかりました.アデノウイルスなどのいわゆるかぜ症状を引き起こすウイルスの多くに対して,根本的な治療薬は存在しません.乳幼児は発熱が持続すると,体力の消耗による哺乳低下や発汗による脱水をきたしやすく注意が必要ですが,発熱は病原体への生体防御反応ですので,熱があるからといって積極的に解熱薬を使用する必要はありません.しかしながらアデノウイルス感染症は高熱が3~6日間程度継続し,熱による体力消耗をきたすことがありますので,注意が必要です.高熱で眠れないときや水分補給ができないとき,喉の痛みにより経口摂取が困難なときなどは,解熱薬を使用し,患児の苦痛や不快感を軽減し全身状態の改善をはかります.解 説2 カロナールRの小児用量の注意点は?1回の体重あたりの用量と投与間隔は正しいか,最大投与量を超えないかカロナールR の添付文書によると「小児科領域における解熱・鎮痛」に対する通常用量は以下の通りです.● 通常1回10~15mg/kg(年齢,症状により適宜増減)● 投与間隔は4~6時間以上● 1日総量として60mg/kgを限度とする(ただし,成人の用量を超えない) 本症例での投与量は1回10mg/kgで投与間隔は8時間以上です.指示通りに使用すれば最大でも30mg/kg/dayの使用となるため,用法・用量に問題はありません.ただし,アセトアミノフェンは表のようにOTC薬の小児用解熱薬や総合かぜ薬にも含まれていることが多くあり,医師の処方量によってはそれらと併用すると最大用量を超えるおそれがあります.受診前にOTC薬を使用している場合は,種類・服用時間・服用量を確認し,必要な投与間隔を伝えましょう.また,医師の判断により現在の症状に必要な薬剤が処方されて解 説