ブックタイトルRp+2017年春号

ページ
8/12

このページは Rp+2017年春号 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

Rp+2017年春号

014 Vol.16,No.2第4の習慣:漢方薬へのよくある不満・疑問に答える準備をする 多くの患者さん,特に初めて漢方薬が処方された患者さんにとっては,漢方薬に対する疑問がつきものです.そんな疑問に「スッ!!」とお答えすることで患者さんの不安を払拭することができます.これも大事な服薬継続(アドヒアランス)維持のための極意と思われます. 現場では,処方医に疑問を聞くことができず,保険薬局のカウンター越しに質問してくるケースも多々あります.薬剤師にとっても知っていて損はない知識だと思いますので,よくある疑問と回答(Q&A)をまとめてみました.注: 内服開始後に起こる一見副作用と思われる不快な症状.好転反応とも言う.瞑眩に関しては諸説あるがHyper- responseの一部とも考えられる.漢方薬の場合は「効き過ぎている可能性」があります.減量すると効果がちょうどよくなることが多いので,自己判断で服薬をやめずに,必ず主治医と相談してみることが大切です.筆者は1/3?1/6位まで減量することが多いです.西洋薬の場合は副作用の可能性が疑われると,ついつい中止の指示が出てしまいがちです.漢方薬では内服後に,副作用? と思われるような症状が認められた場合,副反応と考えて中止する前に,「効き過ぎじゃないか?」という疑いを持つことも大事です(瞑めん眩げん注の一部).ただし,明らかなショックや呼吸障害は除きます.用量が「足りていない可能性」があります.増量,あるいは薬効の似たもの同士を併用してみるとよいことが多いです(表).特に感染症の急性期などには,医師の管理下に2倍量,3倍量のんでいただくこともあります.改善も悪化もしない場合はさらに増量してみます.それでもウンともスンとも言わない(まったく効果が現れない)のであれば,確かに効果は期待できないことが予想されますので,変更の対象です.のんだらかえって調子が悪くなりました.のむのをやめたほうがよいですか?1のんでも効いている感じがしない漢方薬は変更したほうがよいですか?2表 薬効の似たもの同士の例当帰芍薬散,四物湯,八味地黄丸,温める薬(温補剤) 当帰四逆加呉茱萸生姜湯黄連解毒湯,白虎加人参湯,冷ます薬(清熱剤) 越婢加朮湯麦門冬湯,八味地黄丸,温経湯,白虎加人参湯水分を補う薬(滋潤剤・補陰剤)五苓散,猪苓湯,越婢加朮湯,当帰芍薬散余った水を動かす薬(利水剤)下線の漢方薬は,2つ以上のグループに属します.