ブックタイトルRp.+レシピプラス 2017年夏号

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概要

Rp.+レシピプラス 2017年夏号

044 Vol.16,No.3便秘とは便の形成と排便のしくみ 口から入った飲食物の残りカスは消化管液とともに,毎日約1,000~2,000mLの粥状液となり大腸へ入ります.その水分の90%と塩類は大腸で吸収され,約200~250mLの半固形の便となって直腸に移動します. 便意を催すしくみには,直腸が便により広がり,直腸壁の平滑筋が刺激を受ける直腸反射と,胃に食物が入り結腸が収縮する胃結腸反射1)があり,この反射により排便に至ります. これらのいずれかの反射に問題が起こると便秘となります.また,便の組成は未消化の食物繊維,細菌,水分(75%),その他の無機質からなるため,食物繊維や水分が不足することによって便の体積が減少した場合も,腸蠕動が減弱して便秘となります.便秘とその分類 便秘の定義は,排便パターンの個人差があるため明確にすることが難しく,国や学会により異なります(表1).毎日便が出ていても,便が硬くて排便が困難,残便感があってすっきりしない,お腹が張るなどの症状があれば便秘と言えます. 便秘は大腸癌などの病変による器質性便秘と大腸の働きの異常による機能性便秘に分けられます.機能性便秘はさらにけいれん性・弛緩性・直腸性の3つに分類され(表2),原因により対応が異なります.妊娠中の便秘とその原因 前述のように便秘の定義は明確でないため,妊娠中の便秘の頻度については16~40%と報告により差があります2,3).妊娠時期によっても頻度は異なり,初期~中期に多く,後期~産褥で減少して元に戻ります2).臨床的感覚としては便秘の妊婦さんはもっと多く,自「毎日つるんとバナナうんちが出ていますか?」自覚のない便秘も解消してスッキリ臨床判断力が求められる妊婦のマイナートラブル5