ブックタイトルRp.+レシピプラス 2017年秋号
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Rp.+レシピプラス 2017年秋号
処方例から学ぶ! 認知症高齢者の対応Vol.16,No.4 1131 今回の患者さんの問題点は?パーキンソニズム,幻視,レム睡眠行動障害認知機能の低下に伴い,① 理解力の低下,② 話が通じにくい時間帯が増える,③ 幻視や妄想が顕著となることがあります.また,身体面では,パーキンソニズムが進行し,①ふらつきが多くなる,② 身体のこわばりが強くなる,など転倒することが増えたり,運動機能が低下することがあります.精神および身体の機能を維持するためにリハビリテーションを実施することが望まれますが,その際は,家族などの介護負担ができるだけ軽減できるように,専門機関に相談してサポートしてもらいましょう. ありありとした幻視に対しては,否定することは良好な対応とは考えられておらず,話を合わせながら,少しずつ違った話題に変えていく方法が推奨されています. レム睡眠行動障害に対しては,薬物治療として,クロナゼパムが奏効するとの報告があります1).ただし,効果がみられない場合もあります.必要に応じて,主治医に情報提供するようにしましょう. レビー小体型認知症で起こり得る問題と対応について表にまとめます.服薬指導については, 1(→p.107)と同様の注意が必要です.解 説症 状特徴・対応・薬物治療レム睡眠行動障害薬物治療 クロナゼパム(1回0.5mg,1日1回 就寝前)が奏効するとの報告がある1)暴言や暴力● 専門機関に相談すると共に,その状態が認知症という疾患がもたらすものであるため,患者さんの人格やこれまで生きてきた積み重ねを否定しないよう考慮して対応する幻 視● 否定せず,話を合わせながら少しずつ違った話題に変えていく方法が推奨される薬物治療 クエチアピン(1回25mg,1日3回 毎食後)が奏効するとの報告がある2)賦 活(イライラ,攻撃性など)● コリンエステラーゼ阻害薬は精神を賦活させる作用が比較的みられる薬物治療 抑肝散[1回2.5mg,1日3回毎食後(もしくは毎食間)]が奏効するとの報告がある3).時には抗不安薬や抗精神病薬,気分安定薬が使用される.薬物治療を行う場合には低用量から使用し,慎重に増量するようにして,症状が改善して安定した場合にはできる限り早く減量・中止する動作の緩慢● 急かしたり,手を引っ張ったりすると転倒のリスクを増加させる● パーキンソニズムのために動きの鈍さが出ているので,急がせると緊張が増して逆効果となる.時間に余裕を持って行動して急がせないようにする薬物治療 パーキンソニズムに対してレボドパ・カルビドパ錠(1回100mg,1日2回 朝夕食後)が奏効するとの報告がある4)が,精神症状が悪化する例もみられる表 レビー小体型認知症で起こりやすい問題と対応