ブックタイトルRp.+レシピプラス 2018年冬号
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Rp.+レシピプラス 2018年冬号
呼吸器のしくみ 呼吸器は解剖学的に空気の入り口である上気道(鼻腔から咽喉頭)と下気道(気管から下の器官)に分類されます.下気道は気管から末梢に向かって不規則な2分岐を繰り返し,16分岐をした後に気道と肺胞実質系の移行部である呼吸細気管支に分岐しています.肺胞が存在しない終末細気管支までが気道に分類されますが,終末細気管支から呼吸細気管支までをまとめて移行部といい,終末細気管支を境に肺胞が出現します(図1). 簡単に言うと肺は呼吸によって取り込まれた空気の流通路としての役割を持つ気道系と,酸素の取り込みと二酸化炭素の排出を行うガス交換の役割を持つ肺胞実質系から成り立っているのです.構造面 気管の内腔面は多列線毛上皮とその細胞間に点在する杯細胞で覆われており,基底細胞とともに粘膜上皮層を形成しています.気道壁には杯細胞とともに気道分泌機能をもつ気管腺があり,気管腺からの分泌液によって気道の保護,湿潤が行われています.また,終末細気管支から呼吸細気管支にはクララ細胞が存在し,サーファクタント(肺胞がつぶれないようにする界面活性剤の役割をもつ物質)を分泌することで微細な管構造と肺胞を維持する役割をもっています.呼吸細気管支は肺胞と気道の構造が混在した管腔領域で数回の分岐をしたあとに肺胞領域に至ります.もっとも重要なガス交換の機能は肺胞道,肺胞嚢,肺胞によって構成される肺胞実質系で行われています1, 2).喘息・COPDに関わる検査値 喘息・COPDに関わる検査で必ず理解しなければいけないものがスパイロメトリーです.スパイロメトリーはスパイロメーターという装置を使い測定し,この記録曲線をスパイログラムといいます3) (図2). 安静時の呼吸や,空気を思い切り吸い込んで一気に吐き出したときに肺の中に入っている吸入剤を理解するためのキソ呼吸器と製剤のキホン1008 Vol.17,No.1