ブックタイトルRp.+レシピプラス 2018年春号

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Rp.+レシピプラス 2018年春号

処方例から学ぶ! 甲状腺機能異常Vol.17,No.2 1012 甲状腺ホルモン薬の服用のタイミングは?● 病態の把握● 既往歴,服薬方法の確認甲状腺ホルモン薬を初回で投与されるとき,大きく分けると2つの病態があるので,そこを認識して服薬指導へつなぐことになります.1つめは,1次的にホルモン分泌の低下する橋本病,または2次的に何らかの治療によって甲状腺の機能が低下する場合です.2つめには,甲状腺摘出後やバセドウ病のアイソトープ治療後などがあてはまります. この患者の自覚症状は首のはれだけでしたが,しばらく血圧や心拍数の低下状態にあったと思われます.比較的高齢者の場合,必要最大量からの投与は動悸,頻脈などを誘発するおそれがあるため,低用量で開始します.今回は25μgを5日間服用して,異常がなければ50μgへ増やすように指示されています. 既往歴の確認は処方医がしているはずですが,念のため心疾患,糖尿病,血液凝固異常,内分泌異常の有無は把握する必要があります. 長期間の甲状腺機能低下に順応していた代謝は,少量の甲状腺ホルモン補充に対して過敏に反応することがあります.この時期に市販の総合感冒薬で交感神経刺激薬(アドレナリン)が含まれているものを摂取すると,過剰な反応が起こる可能性があるため控えなければなりません.解 説● 原則,空腹時に服用するチラーヂンRSの添付文書の「用法」は,「1日1回経口投与」となっています.一方,米国の「レボチロキシンナトリウム」の添付文書には下記のように記載されています.解 説● 吸 収  経口投与されたレボチロキシンは40?80%が胃腸から吸収される.そのほとんどは空腸と回腸の上部からである.レボチロキシンの吸収は断食により促進され,食物繊維,吸収不良症候群,乳児用大豆調合乳等により阻害される.● 代 謝  半減期は通常6?7日,ただし甲状腺機能亢進状態では3?4日,機能低下状態では9?10日.● 患者へ与えるべき情報  レボチロキシンは朝空腹時,少なくとも食事の30?60分前に服用する.(文献1より一部抜粋,著者訳)